●2022年5月6日(金)06:35
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三陸海岸縦断ポタ途上、宮古市中心部後の急坂の途中で休憩しながら、僕は気づき始めていた

「気のせいかも知れないが、僕のやってる事って苦痛時間の方が長いのでは?」












●例えば、今日の行程について考えてみると・・・
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全行程アップダウンのリアス式海岸、上り・下りは当然、大体交互にやってくる。

坂をのぼるという行為は「位置エネルギー」を溜め込むために自分のパワーを消耗する行為、故に「辛い」。
対して、坂をくだるという行為は、溜め込んだ位置エネルギーを解放する事で、労力なく、逆に体力を回復しながら進む行為、故に「ラク」。

この「辛い」と「ラク」は真逆の性質を持っているけれど、基本的には「等価である」と僕は考えていた。









●しかし、よくよく考えてみると、それを体感している時間の長さは全然違う!

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急坂をのぼる速度は7~8km/h、対して急坂をくだる速度は45km/h
つまり、ラクな時間はツラい時間の6倍の速度で過ぎ去ってしまう事になる!











●結果、全長120kmのリアス式海岸を走る今日の僕のポタは・・・

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ということに









●峠越えのトンネルまで、長かった
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アップダウンの事を深く考えると、心が折れそう。
「無」だ。
ここから先は、無心で走るんだ(*v.v)。。
















三陸タイトル図


(9)

「宮古~田野畑」の巻



















●KOU「田舎と旅情」のテーマ(「Journey Beginning」コナミ1989)
















●「位置エネルギー」を解放している間(下り)はとてもラクだ~♪
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ポタ旅によっては、20分以上下り続ける旅もあったりする。











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幸か不幸か、三陸海岸の旅ではそこまで大きな峠は下ることものぼることも無い。










●やがて、海岸部に下りてくると三陸鉄道の駅が見えた
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あれは・・・










●田老駅(タロウエキ)だ
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まばらな利用客の姿、そして三鉄色に塗られた小型のディーゼル機関車が見えた。









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田老は少し前まで「巨大防潮堤」で津波に対して万全の備えがあるとされていた町。
しかし、震災でその防潮堤は破壊されてしまい、かつて住宅地だった場所が、現在は太陽光パネルや野球場の施設などになっている。
住宅地は高台のほうに開かれているようで、そちらに三鉄の新しい駅が開業していた。











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以前の巨大防潮堤は、現在でも一部が利用されているらしい。
そして、町には更に新しく大きな防潮堤が出来ている。








●田老集落を過ぎると、道は再び上りに
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何も考えるな
ただ、無心で、力を抜いて、ペダルを漕ぎ続けるんだ!










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三陸海岸、結構キツイな!
ってか、初日から200km以上走っているのに、サイクリストに1人も出逢わねえ









●はふぅ
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自販機発見!
「オロナミンC」でファストエイドしたい
しかし、何故かコインが戻ってしまう。











●模倣品で我慢
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「ガツンゴールド」・・・インパクトがスゴイ。
味は本家よりマイルド。









●おっと!
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さっきの休憩からたった14km進む間に、到着時刻が30分遅れている










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あまり休んでもいられない









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景色はよく、気持ちいいんだけど・・・








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のぼり坂がしつこい!!








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峠をのぼりきり、再び位置エネルギー解放
でも、どうせ、のぼりの6倍のスピードで、すぐ下りきっちゃうんだよな!








・・・と













●おおっ
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なんと、岩泉町(イワイズミチョウ)に到達











●岩泉は本州で最も大きな町だ
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そのサイズは大阪府の半分よりはやや大きく、東京都の半分よりはやや小さい992㎢。
しかし、人口は大阪府(882万人)の1/1,000に満たない8,200人。人口密度は8.3人/㎢。
日本屈指の超超過疎自治体。
世界最高の透明度を誇る地底湖「龍泉洞」でも知られる。

県央部に住む岩手県人の僕は、圧倒的に交通不便・山がちなイメージのある岩泉町を自転車で走るなど、想像したこともなかった。
(僕の心は概ねいつだって岩手県人だ)







●再び沿岸部に
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そうか、岩泉町にも沿岸部があるんだっけ。







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だんだん、景色が北東北の海っぽくなってきた









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ああ、いいなあ・・・







●ほどなく、小本(オモト)集落に入る
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「小本港」は、太平洋側で地震があった時の潮位観測でしか名前を聞いた事がない。
静かで、のどかな漁村といった感じなのだが・・・











●ぐっ
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ここから先の道は、「のどか」とか「静か」とかとは縁遠そうだ。












●KOU「うざい上り坂」のテーマ(「バトル2」スクウェア1990)















●なんだこれ
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ギアをスーパーロー(ただの1速ね)に落し、ヨボヨボのぼりはじめる。











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道もいきなり狭くなり、路肩は自動車転落防止用のコンクリ壁。
傾斜とコンクリ壁の圧迫感がスゲー












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ここで、この旅で唯一サイクリストに出逢う
彼は「イヤァ、キツイっスね!」と笑顔でいい、僕をパスしていく。










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彼の姿はあっという間に見えなくなった
スゲーなー!!










●ううっ
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15.6km前の休憩の時より、到着時間がさらに22分遅れた。
スタートから58km走る間で、1時間10分遅れている。









●「全長120kmのうち、9割が辛い時間」か
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これだから、僕はこの趣味を他の人にカンタンには薦められないんだよなァ









●はふぅ
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ってか、200m進むうちに3分遅れてる
ちなみに、この旅が始まって以来、僕はずっと「押し歩き」はしていない。








●ああ、ツラい
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しかし、ようやく峠が見えてきたか
あのカーブを曲がれば、下り坂になるんだ、きっと!









●さらなる上り坂
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またこのパターンか。
さすがに、もう懲り懲りだ!!













●しかし「懲りた懲りた」言っても
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誰か助けてくれるわけでもないので・・・










●ひたすらペダルを漕ぎ続ける
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ヒーハー

マジでこの趣味、割に合わない様な気がしてきた。









・・・と









●少し、道がラクになった
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いや、まだのぼりなんだけどね。
今までがあんまりだったので、下っているかの様にすら感じる(錯覚)










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道自体は気持ちいい。
琵琶湖の周囲とかにここがあるなら、毎週でも走りに来たいくらい。









●しかし、ここはそんなにラクに来れる場所でもない
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こんなとこ・・・っていうか、三陸海岸をBROMPTONで縦断する人がそうそういないであろう事は、こうやって走ってみるとよく判る











●まさに、孤高のポタリスト・KOU(*v.v)。。!!
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その僕にとって、道中一番の難関がこの橋だった
高所恐怖症ゆえ、足がすくんでなかなか渡り始められず、渡り始めた後も震えが止まらなくて難儀した。










●やれやれだぜ
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しかし、朝4時台のスタートが奏功したか、時刻10:35の時点で全行程120kmのうち72kmを走破。
残り約51km。

『こんなルート、二度度走る事もないだろうが、まあ順調といえば順調だ


僕は「田野畑のまち」へとペダルを漕ぎ入れる。



(つづく)







最終目的地・久慈へと突き進むKOU!
その行く手を阻み続ける三陸のリアス式海岸!
「なんてしつこい!」
しかし、ついに国道45号線最高標高地点を撃破!!
気をよくした彼は、色気を出して、あの「伝説の朝ドラ」の海岸へ立ち寄ろうとハンドルを切るが・・・


次回「田野畑~小袖海岸」の巻





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