●2022年5月5日(木祝)10:54
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陸前高田市・高田松原を出発した30分後、僕はこの日最大の坂に差し掛かっていた









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そこは県南部の名峰・五葉山(1,304m)の裾野を越えてゆく道(*v.v)。。









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ご覧の通り、環境は美しい

最高の新緑の中、空へと向かうこの道を駆けのぼる人々の姿、傍から見ていて爽快ナリ











●ただ、それはクルマやバイクでのぼる人の話!
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自転車(BROMPTON)でのぼる者には、ただの地獄。
いや、美しき地獄(ビューディフル ヘル)








●うげ
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うざい!!







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スーパーロー(ただの1速ギア)でヨボヨボあがるしかない







●しかし
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延々と続く三陸のリアス式海岸を走り続けるうち、実は、僕は覚醒していた






『どういうわけか、急坂、乗ったままで上れる様になってる

勿論、必死になっての立ち漕ぎなど、僕は絶対にしない。
では、どうやって急坂を登るのか?
それは立ち漕ぎと真逆。『足から力を抜いて漕ぐ』
上り坂では無意識のうちに踏ん張ってしまうものだけれど、それを我慢する。
すると、信じられないことに『割と急な坂も、踏ん張らなくても上れる』ことが判る。







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自分でもウソみたいなのだが、マジなのだ。
筋肉が弛緩した状態を維持するつもりで優しくペダリングし続けると判る。
『疲労蓄積が明らかに遅い』。


勿論、登坂速度は遅くなる。
力を込めた状態なら、概ね10km/h。ただ、すぐ消耗して休む回数が増える。
力を抜いた状態は、概ね7~8km/h。遅いが、前者の数倍のキョリは走れる。
そして、長時間走る時の僕の場合、後者の方が目的地までの所要時間は短いらしい。


『力を抜いての急坂のぼり』は、アップダウンが激しい旅では使えるテクニックだと感じた!














●どっちにしても地獄だけどね
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ようやく、峠越え。
たった330mの峠でも、アップダウンが度重なる旅のさなかでは、ホントキツイ。
想定スケジュールにも、じわじわと遅れが出始めている。












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もう、キリが無いので、この先は上り下りの話はしない!
ただ、
僕はこの旅、最終盤の「超急坂」以外は押し歩きする事なく、200km以上続くリアス式海岸を走り切る事になる!















三陸タイトル図


(6)

「盛~山田」の巻













●KOU「田舎と旅情」のテーマ(「Journey Beginning」コナミ1989)












●三陸はやっぱり美しい
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●12:55
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沿岸部の主要都市・釜石市(カマイシシ)に到達。
鉄鋼の町としても知られたが、鉄工所の高炉休止後、衰退が進んでしまった。









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いくつかの漁港町を走り抜けているのだが、食堂の類がさっぱり見当たらない









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まあ、キレイな風景には癒されるのだけれど。







●13:14、ようやく飲食店を発見
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気付いた時には、店の玄関前にいた。
「ちょっと待っててくれ、BROMPTONくん!」








●せっかくの海岸旅につき「浜ラーメン(930円)」を注文
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チャーシュー麺(780円)や海鮮ワンタンメン(880円)と比べてお高いが、美味しそうなので注文。
写真で予想してた以上のあっさり味。海鮮が豊富で満足
ギョーザと合わせて1,330円也。






●なんと、カニも入っていた
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『晩ごはんも、海の幸を愉しむとしよう(*v.v)。。』

40分ほどの昼食休憩の後、お店を出発。








●やがて、進路に白い何かが見えてきた
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おお、なじみ深いあの姿は・・・








●釜石大観音(カマイシダイカンノン)
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高さ48.5m、鉄筋コンクリート造りの大観音像。
超巨大観音像といえば、淡路島の平和大観音(解体済)をはじめ、どこかあやしい雰囲気が漂う「珍スポット系」を想像する人も多いかも知れないが、この観音様は地元の曹洞宗の寺院が1970(昭和45)年に建立したものであり、ちゃんと維持管理されて現在に至っている











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●僕にとっては見覚えのある懐かしい景色も多くなってきた
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吉里吉里(キリキリ)トンネル。
ここは岩手県大槌町(オオツチチョウ)。
1970年代前半に執筆された井上ひさしの長編小説『吉里吉里人』(キリキリジン)の舞台になった場所。

『日本政府に愛想を尽かした東北の寒村が独立国家を宣言した』という小説らしく、『面白そう』と思いつつ、まだ読んだ事がない 








●波板海岸(ナミイタカイガン)
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ここは、砂浜が全流出してしまい、思い出の景色と全く重ならない。
ただ、防潮堤の無い海岸線、もともとの三陸海岸沿いの景色にも思えた







●16:44 山田町到達
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朝から果てしなきアップダウンの連続で、くったくた
ここの地名は「四十八坂」。
もうホント、こういう旅はこりごり






●それにしても、鯉のぼりがとても多い
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昨日のスタート地点・女川駅からの道中、ずっとだ。
こんなに子供がいる世帯が多いとは思えないほど。
やがて『天国に行った大勢の子どもたちへの思いもあるのかも知れない』という考えに至る。









●投宿地が近づいてきて、心にゆとりが生まれてきた
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ひとつひとつの景色が、目に焼き付く様になってくる










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ああ、やっぱり・・・








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「小さな漁港町」を歴訪する様な旅は、いいな








●山田町中心部もまた『堤防の中の更地』になっていた
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まあ、ドライブで2~3回ほど通っているから、知ってはいたけどね。
チャリで来ると、更地が数倍の広さに見えるんだよね。








●17:00ちょうど、投宿先「湯らっくす」に到着!
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走行キョリは109kmを記録した。

平均時速15kmとして、当初はナビを参考に8:00出発→16:00到着(昼休憩50分含む)を予定していた。
しかし、実際は6:40出発→17:00到着(昼休憩40分含む)。
日本有数のリアス式海岸である「三陸海岸」を約110km走ろうとすると、僕の場合、当初予定より2時間程度の遅れが出るようだ。

一方、朝8時頃に何となく予想していた「到着時刻17:00頃」については、完璧に正解
僕も、だいぶ自分自身のタイムマネジメントが出来る様になってきた。

自分自身のスキルアップに満足しつつ、僕は宿にチェックインする。



(つづく)





山田町。
そこは、これまで僕が泊まった漁港町の中でも、かなり小さな町。
思えば、小さな漁港町に泊まりながら旅をするというのも、僕の目標のひとつでもある。
美味しい晩ごはんを頂いた後、静まった夜の漁港に出かけてみればこそ・・・自分らしい「旅情(*v.v)。。」を味わう過ごし方が出来るのかも知れない。


次回「港町・山田の夜はふけゆく」の巻





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