ふしぎな夜篇
「まさか雷光・・・!?」
ゲリラ豪雨でもくるのかしら。だとしたら避難しないとヤバいが、雷鳴が聞こえてこない。
『夢の入口の光だったのかしら?』
そう思ってると、また、テントの側面に稲妻の様な閃光が走った。
これは一体・・・???
●外に出てみると・・・
あっ!
対岸の林の奥から差し込まれる閃光は、自動車のヘッドライトか!
こんな時間に、こんな山に何かの間違いかと思ったが、クルマはまっすぐこちらにやってきて、
僕のキャンプサイトの上の道路で停車した。
それも、3台も。
しばらく、何かくっちゃべっている様で、バタンバタンと扉を開け閉めさせる音が響いてうるさい。
『まさか、この時間からキャンプやらBBQやら始めるつもり???』
●驚くべきことに、マジでこの時間にBBQを始めたようだ
とは言え、こちらに気を使ってくれたのか、僕のテントから結構(100mくらい)離れた場所で始めたようだ。
6~7人集まって何かやってるのは間違いないのだが、話し声も殆ど聞こえてこないくらい。
『しかし、今は静かでも明朝から鉢合わせするのは嫌だなあ・・・』
そんなことを思いつつ、眠りに落ちていく・・・
●「キャーン!!」
ビクッ!!!
サルの叫び声にびっくりして目を覚ます。
時刻は午前1時。あれだけ人がいるのに、今日も出るというのか。
●外に出ると、雲が晴れて月明りであたりが照らし出されていた
あれ?
BBQをやってたあたりに人の気配が無いぞ?
だから、サルも出てきたのか・・・。
ってか、まさかホントに、あの時間にわざわざここに来て、静かにBBQだけやって帰っていったということ?
●僕が言うのもアレだが、変わった趣味を持つ人たちもいるもんだ・・・
その後、蹄で小石を蹴る音で鹿の気配を感じたが、これと言って獣害を受ける事もなかった。
『びっくりする事が続いたが、どうやら、無事に朝を迎えられそう』
・・・この時は、そう思っていた。
そして・・・
●ハッ
朝・・・か
雨は降ってないが、タープはだいぶ濡れたね・・・
こりゃあ、まともにお日さまが照ったとしても、乾燥までにはそれなりに時間がかかりそうだぞ。
時刻は6時・・・。
とりあえず、コーヒーでも淹れるか・・・
夕飯の余りもののベーコンを軽く炒める。
朝ごはんを食べて一服・・・~♪
●今日も、天気は『快晴』とはいきそうにないね
川の写真を撮るにも、テントやタープを乾かすにも、お日さまが照ってこない限りはどうしようもない・・・。
『もう少し、テントの中でゴロゴロしていようか・・・』
そう思って、テントの中に入った時、初めて『テントの中にめちゃめちゃ蚊が入っていた事』に気づいた
15匹くらいいただろうか。
『マジか・・・』
一匹一匹叩き潰すごとに、手に血がつく。これ、僕の血だろうか・・・
しかし、その割には痒くないのが不思議だ。
不愉快な気分と不思議な気分とおりまぜながら、ウトウトして、軽く寝入る・・・。
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