●職員用駐車場でのコンクリ像探しを諦め、城の方に向かう

Y:「でも、他の客用駐車場に移設された可能性もありそう

KOU:「・・・

トコトコと熱海城の方に下りながらの言葉に『まだそんな事を言ってるのか』と思った。
 
KOU:「客用の駐車場の混雑ぶりを君も見ただろう。
 
 空間があるだけでどんどんお客が入って儲かる客用駐車場に、コンクリ像運んで場所失わんだろ」





















●さきほど駐車した第二駐車場、その上にある第三、第四駐車場にさしかかる
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KOU:「見たまえ。その様な像を置けるスペースはどこにも無いし、実際、置いてない」
 
Y:「そうかも
 



















熱海珍スポ探訪記 2017.03.19
浅野祥雲作品と秘宝館を訪ねて
解明篇












●そんな事を言っているうちに熱海城まで降りてきた
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Y:「信じられない混雑!コンクリ造りでガラス窓が嵌ってる城なのに
 
KOU:「まあ、名古屋城みたいなもんだね

しかし、珍奇な像を見る為だけにわざわざ名古屋から出張ってきてる僕らの方が

こちらのみなさんには信じられないのではあるまいか(・ ・)?
 
KOU:「のぼってみる?」
 
Y:「私たちの目的は浅野祥雲なんだから、あんな行列に並んでるヒマはないですよ」
 
KOU:「そりゃそうだね」
 


















 
●まあ、ここからでも十分いいながめ
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それに、さっき、もっと高い場所から伊豆半島も眺めてきたし、天守閣は入らなくてもよかろう。

 Y:「あっ!」
 



















●浅野祥雲作品、発見!
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お城の前に、3体あった。
 
これは、ガイドブックにも記載されていたお城周りに設置されている作品群の1部だね
 


 
 
















●七福神の立派な像だ
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●福々しい顔をしている
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なんか、めでたい気分になってくる 
 
そうだ、『浅野祥雲』と言われても判らない人もいるかもしれないので、

浅野祥雲研究家・大竹さんから聞いた話もおりまぜつつ、簡単に説明しておこう。







〈浅野祥雲~あさのしょううん~〉

明治生まれの造形家で、昭和初期から40年代にかけて名古屋を中心に、コンクリート像活躍した人だ。

無数の珍奇なコンクリ像を造った『珍人』的なイメージで見られる事が多いが、

日本の文化と時代背景の影響によるところが大きいようだ。

古来、日本では『お伊勢参り』を筆頭に祈祷への旅に出る文化があったが、

祈祷という名目で出かけるレジャー的な側面があった事は、多くの人が知るところである。

その原資を集める為、『●●講』という様なキャンペーン組織が日本全国の集落で立ち上げられていたし、

他方、全国の寺院では旅に出るほどのお金が無い人たちに楽しんでもらう為、

著名な信仰地や名所を自寺の庭園内に再現したりしていた。

例えば江戸幕府が造った上野の寛永寺は園内に京都の名所を再現し、

当時のテーマパーク存在ととして江戸庶民からの圧倒的な人気を集めたというのは有名な話だ。

そして。

現在、彼の作品が設置されている五色園や桃太郎神社などといった場所も、

昭和初期~昭和30年頃にかけては時代の最先端をゆく人気のテーマパークだったのだそうだ。

また、自由な造形が可能な上に長い年月の使用に耐えると思われていたコンクリートも、

最先端の建材として扱われていた。

つまり、浅野祥雲氏の作品は、最先端の人気スポットにおいて最先端の素材を用いて造られた

中核的コンテンツとして存在していたというのである。

しかし、そこから2030年も経つと、トレンドは別のものに移っていて、

これらコンクリ像は取り残された存在になってゆく。

しかも、なまじ神仏などを取り扱っているものが多いだけに廃棄処分にするというのも躊躇われ、

あるものは細々と修繕されながら、あるものは放置されたまま、数十年保たれてきたという事らしい。






















  
●七福神はここにおわす
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しかし、ものすごい列をなしている熱海城のお客が七福神に目を向けることは、そうそうなさそうだ。
 
まあ、当然だろう。





















 
●熱海城周りには他にもコンクリ像がおわす
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より詳細な情報は、ガイドブックなどをお求めの上、参照されたい。
 



















●これら、ありがたいコンクリ像を眺めつつ・・・
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僕らは第一駐車場に向かって、長い鉄階段をトコトコおりていく。

それにしても、Yは足が速い・・・と、いうか、なんか、僕が遅い。

特に階段の下りなど、一歩一歩に要する時間が10年前の倍くらいかかってる様な気がする

平衡感覚に自信が持てなくなってきているというか・・・これも老化現象の一つなのだろうか

なんとか、引き離されない様にくっついっていって、第一駐車場におりると・・・




















●あっ
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クルマの向こうに、カラフルな『何か』が見える。

きっと、ガイドブックにあった『十二神将像』だ

職員用駐車場の仏像たちは廃棄されてしまったが、こっちは無事だったみたい。

よかったよかった・・・




















あれ?

右手の斜面にもコンクリ像群があるぞ




















●KOU:「なんだ、これ?」
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KOU:「こんなの、ガイドブックに載ってなかったと思うけど・・・?」

Y:「あっあの像・・・」




















●Yはすぐに気づいた
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KOU:「え・・・?どの像が何だって?」

Y:「ほら、あの指を上に向けている像・・・」

KOU:「???」

Y:「もう!職員駐車場の像の中にあったでしょう」

KOU:「え




















●あっ、ほんとだ
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お釈迦様みたいなポーズの像。たしかに、職員用駐車場に置かれていた筈だった像。

KOU:「・・・と、いうことは

Y:「このへんの像は、職員用駐車場から持ってきた像なんじゃないかしら

KOU:「ましゃか・・・彼らは廃棄処分された筈・・・

Y:「だから、そんな筈ないって言ったでしょ




















●間違いない。職員駐車場の像は第一駐車場に移設されていた
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しかも、職員駐車場にゴミ同然に置かれていただけの筈が、しっかりリペイントされ、台座も新調されて。

また、こんな高いところにしっかり設置するには重機も必要だったろうし、

それなりに手のかかる作業だったんじゃないだろうか。

『これは・・・熱海城の人たちの思いを感じるぞ

Y:「なんかちょっと、感動

駐車場が満車でなくて最初からここに入れていたなら遠回りせずとも辿り着けたごく単純な結論だったけど、

遠回りした事で楽しめる『エピソード』もあるもんだね。




















●熱海城のシメは、珍妙な素敵な十二神将群で
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十二神将・・・京都のお寺で古い木像の12体を見た時すごく感動したものだが、だいぶ感じが違うね

あの、『鬼気迫る気配』が全く無い。





















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Y:「スーパーサイヤ人のなりそこないみたいな




















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こわもてだけど、慣れてくると話通じそうな感じ。






















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ヤムチャを真面目顔にしたような感じ。





















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小林薫に似ているような・・・





















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ぷっ




















●十二神将像の他、多くの像がリペイントされたようだ
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少し、間の抜けた様に見えないわけでもないが、リペイントは美観を保つのと防蝕効果に必須の作業。

ここからまた徐々に劣化していき、いずれまた塗り替えられるんだと思う。

綺麗な状態のコンクリ像を見たいかたは、近いうちに、ぜひ、熱海城へ来られたい。

熱海城を(駐車場だけで)満喫した僕らは、もう一つの目的地・秘宝館(ヒホウカン)に向かう。


(つづく)