「あたたかくなってきたので珍スポを見に行きましょう

YからLINEが入ったのは3月の初日だったろうか。















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珍スポ・・・(*v.v)。。

それは、世の中で一般的に魅力的とされるスポットとはややズレた価値観をして愛されるスポット。

愛知県でいうなら、犬山城の天守閣は江戸期から現存する貴重な遺産で誰の目にも明らかなA級スポット。

対して日進市の岩崎城の天守閣。

小牧長久手戦役緒戦で、防衛側が壮絶な玉砕戦を展開した歴史ある城跡なのだが、

後世の地区住民たちが郷土の英雄を顕彰するあまり、お金を工面して、

本来存在しない天守閣まで建ててしまったという、ビミョーだけど面白いエピソードを持つ。

これは、珍スポと言えよう。

また、愛知県の珍スポなら、『怒り新党』で全国区となった『浅野祥雲によるコンクリート彫像』も欠かせない。

これらは、本来それなりの造形美のしっかりした仏像・神像で、結構大切にされてきたのだろうと思う。

しかし、木像には非常に高い求心力を発揮したり、文化財指定を受けるものも無数にあるが、

コンクリ像についてはその様な話はとんと聞かず、やはり『B級』『C級』の『珍スポ』扱いだ。

珍スポ好きのYが特にお気に入りなのが、この浅野祥雲のコンクリート像であり、

今回行きたいのも浅野祥雲の像があるスポットだという。



















●Y:「大竹さんのガイドブックの中から、行先を選びましょう」
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実は僕も、仕事の絡みで浅野祥雲研究家・大竹さんと日進の御嶽山探検に行き、浅野祥雲ファンになった。

そして、前にYからもらった分厚いガイドブックがあるので、家に帰り、ペラペラとめくってみる。

「うーむ・・・

僕はまだ日進の御嶽山と五色園くらいしか行った事がない。

『関ケ原ウォーランド』や『桃太郎神社』は有名なスポットとして知っていて、本を見る限り面白そう。

















(桃太郎神社はこんな感じ)
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・・・しかし、既にあちこち探訪しているYも、まだ行った事なさそうな場所がいいだろうね、やっぱり。

「かつ、それなりに数もあり、加えて周辺に楽しめそうなスポットがある場所は無いかな・・・」

そう思いながらどんどんページをめくり続けて・・・




KOU:「えっ!こんなとこにも!?」




浅野さんの活動領域は愛知と岐阜だけじゃなかったんだな。

ここなら・・・この街なら間違いなく楽しめそうじゃない。

少し遠いけど、ナビってみたところ名古屋からでも十分日帰り圏内。

忙しい3月でも1日くらいなら何とかなるだろう。



















Y:「熱海!?いいですね、面白そう!日本最後の秘宝館(ヒホウカン)もあるハズだし

サクッと話はまとまった。

あとは、スケジュールの問題だけ。

3月の週末は前半はプライベートで、後半は仕事でほぼ埋まってしまってたが、

三連休の中日に唯一の空きがある この日だけは仕事は一切忘れて珍スポ探訪にどっぷり浸かろう。

こうして、温泉もリゾートとも全く絡みのない熱海探訪に向かう事になった


















熱海珍スポ探訪記 2017.03.19
浅野祥雲作品と秘宝館を訪ねて
前篇


















連休中日は雲一つないお天気

8時頃に待ち合わせして、Yのクルマで名古屋高速→東名→新東名を経て、熱海に向かう。

道中、聞いたところではYは熱海に行った事自体が無いそうだ。

そういや僕も、東京~熱海(伊豆)のドライブは5・6回は経験あるけど、名古屋~熱海のドライブは初めてだ。

名古屋付近に住んでる人の場合、海沿いのおでかけは伊豆より志摩に行くのかも知れないな。

そして、運転好きなYはそれなりの長距離ドライブにも関わらず「行きはわたしが」と、ハンドルを握ってくれる。



『自分で運転しない長距離ドライブがこんなにラクで快適だったとは



誰と出かけるにしても(そして誰のクルマでも)、何故か大体僕が運転する事になるのが多いので、新鮮。

新東名は渋滞もなくスイスイで、快適なドライブが続く。ラクチン




















●Y:「駿河湾SAでアジフライを食べていきましょう」
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「SAでアジフライ?」

Yが言うには、一昨年ライブ見に東京に出かけた時、ココで食べたアジフライがめちゃ美味しかったそうだ。

『そうか、駿河湾といえばサクラエビ、そして根付アジ(時期はちょっと早かったけど)

フードコートでアジフライを1皿単品で注文、レモンを絞ったものにソースをかけて頂く・・・





















●サクッ
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おお~、こりゃあ確かにうんまい

肉厚、ほろりと崩れるアジの身の、ほんのりとした甘さよ。

なるほど、立ち寄ってこれだけ食べる価値、あるね。静岡、やっぱり美味しいもの多いなあ。

小休止したのち、再びYにハンドルを握ってもらって目的地に向かう。ホント、ラクチン

やがて、高速を降りて熱海が近づく。


















Y:「あっ!」

え?なになに?



















●おおっ
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Y:「でた~!日本最後の秘宝館ですよ

KOU:「やっぱりむらさき色なんだね」


国内でもはやここにしか残っていないといわれる秘宝館。(実はまだ他にもいくつか残っているらしい)

かつて温泉地がオヤジたち向けのエロ系サービスであふれていた頃、

その施設の展示物は、オヤジたちの単なる時間つぶしだけでなく、おそらくは彼らのエロ心を刺激して、

街なかに待機している女の子を呼ばせる役目も担っていたのだろう・・・と僕は思う(*v.v)。。

時代は流れ、僕が大人になった頃は『男のパラダイス』などは既に温泉地からかなり排除されており、

僕もそういったサービスに関心を寄せる事もなかった。

さらに20年の時が流れ、現代。

男性向けの性的なサービスはますます細ったのだろうと思われるが、

秘宝館の退廃的でシュールな展示物は、珍妙で笑えるコンテンツとして新たな価値を生んでいた。

現在、秘宝館は男性より女性に人気で、この秘宝館の客層の2/3が女性客なのだそうだ。



この秘宝館には、最初の目的地『熱海城(の駐車場)』に行ってから向かう事にしよう。




















●熱海市内
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『ドライブで走るの何年振りだろう』

そんな事を思っていた熱海市内。去年も2回来ているのだが、全く記憶に残っていない。

もっと昔に来た時の事をふっと思い出した。

東京方面から小田原、真鶴、湯河原を経て入ってくるのと違う感覚に、記憶が重ならずちょっと戸惑うが、

このあたりの街並みは、ほとんど・・・いや、まったく変わってない様に感じた。



Y:「『昭和』って感じ。ってか、何も無い街

KOU:「何をいうか。ここは日本最大級の温泉リゾート地ですよ



まあ、Yがそう言うのも無理はない。

かつて撤去されたホテル跡地はホテル跡地のままだし、加えて撤去されたホテル跡地もあったり、

『歯抜け』は一層進んだように見えた。

一方で、新しく稼働し始めた施設もちらほら見えて、再開発は徐々に進んでいる様に見える。

そんな中心部を抜け、僕らは海沿いの『熱海城』を目指し、海沿いの道を走る。

・・・と


















●上の方に『秘宝館』
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たしか、ロープウェーの駅にくっついてるんだっけ。

そういえば、このロープウェーも使った事なかった。

そして、今回も使わない。



















●ヘンテコな道に、少し迷う
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熱海城と秘宝館は、小高い丘の上にほとんど並んで建っている位置関係らしいが、

それぞれの道案内はイマイチわかりづらい。

トンネルの出口を急角度に左折して上り道をゆく必要があったようだが、曲がりそこなって行き過ぎる。

そのおかげで、伊豆の綺麗な海岸線を眺める事が出来た。

さて、戻ろう。





















●苦労して上り道に入ると・・・
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えらく急角度な道が続く。

KOU:「熱海城って、実在した城なのかな?聞いた事ないけど」

Y:「絶対、適当に造った城だと思う」

早速検索してみる。



●熱海城

~錦ヶ浦の山頂にそびえ立つ熱海城。熱海随一の眺望!~

~1959年に建てられた観光施設であり、天守閣風建築物



KOU:「珍スポみたいなものか。これならガラガラだろうか」

Y:「絶対、ガラガラでしょう」





















●なにィ
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珍スポなのに満車だって!?

・・・しかし、満車と書いてあるのに、入れるには入れるらしい。よく分からない。

右に曲がって坂を上ってゆくと・・・





















●あっ!
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Y:「あっ、秘宝館!」

なるほど、本当に城のすぐ近くにある。これなら、移動もラクでいい。

そして、僕らの最初の目的地『熱海城(の駐車場)』だが、第一駐車場は満車で入れない様なので、

上にある第二駐車場方面に向かう事になる。

先に進む為にこのゲートで駐車料金500円(たしか)を払うと・・・





















●タオルをくれた
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KOU:「熱海城って温浴施設だったっけ?」

Y:「知らない」





















●何はともあれ、熱海城に着いた
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熱海城、単なる珍スポを越えた、堂々たる佇まい。

しかし、僕らが用があるのはこの城ではなく、駐車場にあるコンクリ像だ。

ガイドブックを見ると、コンクリ像があるのは2か所。

さっき満車で入れなかった第一駐車場と、一般の人は殆ど立ち入らないであろう職員用駐車場。

これらの駐車場には、それぞれ浅野祥雲氏作のコンクリ像が置かれ、異なる風景を見せてくれる筈。



KOU:「奥の方まで上がってきたから、先に職員駐車場の方を見に行こうか

Y:「そうしましょう

駐車場警備の係員さんに事情を相談すると、職員用駐車場の行き方を教えてくれた。

どうも、この急な丘の上の方にあるらしく、少し探検っぽい雰囲気になってきた。

さて、像を拝みに行くとしよう。

(つづく)