さて、タクシーで宿に向かおうとするまさにその時まで、僕は二条城近くのゲストハウスを予約したと思っていた。

んで、『夜は河原町や祇園に飲みに行こう』なんて考えていたのだった。

しかし、僕が予約した宿は、実際は金閣寺や釘抜地蔵などに近い『洛北の住宅街の中に』あり、

ちょっといい感じの店で京のごちそうを食べ、飲み歩きを愉しめる様な場所ではなかったのである

宿のご主人に近場の料理屋の話を訊いたが、入りたいと思うような店も無さそうな感じ。




やっちまった




「・・・まあ、とりあえず、店を探してみようや」

僕はBROMPTONを、ヒデタケさんはclassic DAHONを展開、徒歩の みほさんと共に、トコトコと歩き回り、

時には乗車して偵察に出て、情報を収集して・・・なんて事を愉しみながら、エリアを開拓していく。

ふと、立ち止まって耳を澄ますと、通りに面した家の中からバッタンバッタンと、何かの機械の作動音。

そう、ここは西陣。

かつて、和宮が徳川家茂にお土産でねだった西陣織の産地だね。

タクシーの運転手さんの話によると、だいぶ数は減ってしまったのだけれど、

今でも家内制工業として続いているそうで、機械の作動音は機織り機が出しているものらしい。

そんな町を、トコトコ歩き回る。

そして、僕が偵察に出ている間に、ヒデタケさんが衣料品店の老爺から近所の料亭の情報をGET

でかした、ヒデタケさん!






















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【京の夜・西陣篇】



















●なかなかいい感じの店
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これこれ、こういう店に入りたかった

萬重というお店らしい。

しかし、遅い時間(19時過ぎ)で混雑していたらしい。ヒデタケさんが交渉してくれたが、入れなかった





「京料理の店は諦めて、それでもなんか気の利いた店があったら、そんなトコ入りますかぁ・・・」





そんな話をしながらさっき来た道をトコトコ戻っていると、商店の前にじいさんとばあさんがいるのが見えた。

このじいさんが、萬重を教えてくれた人らしい。

事情を話すと、『萬重の様な店ではないが、それでもまあまあ』という、別のお店を教えてくれた。

ラッキー

僕は、基本、ぐるなびとか使わないんだけど、旅はやっぱりこういう情報収集が面白いよね。




















●教えてもらったのは、さっきスルーした店だった
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(shot by HIDETAKE)

さきほど、みほさんとお品書きを見ていて

「創作料理っぽいね」

「名古屋でなら入りたいけれど・・・」

・・・なんて言いながらパスした店だった。

とはいえ、これ以上のお店に、この界隈で入れない事は明らか。

「おこんばんは

中に入ると、開放感のある店内は大勢のお客様で、しっとり、賑わっている感じ。

幸いにして、僕らが座れる4人掛けの半個室に空きがあり、無事、入店できた。






















●『蒼空(そうくう)』で乾杯
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30代後半から、旅先ではなるべくその土地の日本酒を飲むようにしている。

なんとなく、旅の情緒が増す様な気がするからだ。

かと言って、別に日本酒に詳しいわけではなく、むしろ、何も知らない。

ぐびぐび。

ほんのりと、甘さを感じるお酒

僕は浦霞(辛口じゃないやつ)の様なほんのり甘い酒が好きで、このお酒とも仲良くやれそうだ。

ぐびぐび

美味しい♪





















●先付
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僕らが頼んだのは、たしか『おまかせコース』(5,000円だったと思う)。

季節の山菜、銀杏、湯葉などの揚げ物、そして葉っぱの彩りが美しかった。

『こういう紅葉やイチョウの葉っぱも、料理用に、仕事として集め売っている人がいるんだよな~

傷ひとつないピシッとした葉っぱを見て、そんな事をふっと思いながら、シイタケや銀杏をカリカリと頂く(*v.v)。。

おいしい





















●お椀
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ゆずの香りが ふわぁ~・・・鼻をくすぐる。

美味しい(*v.v)。。

心があたたまるお味。






















●お造り
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まぐろ、ぶり、そして鰆炙りの三点盛り。

名古屋の自宅近所にも、美味しい刺身を出してくれる店(やや高い)があるけれど、ほとんど互角の味だ。

大変おいしゅうございます(*v.v)。。























●八寸
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たまご、かずのこ、フォアグラのハム巻きなど、さまざまなお味をチビチビ愉しめる。

ほんと、もう、『ガッツリ』とかいらない。こういうのがいいざんす(*v.v)。。
























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ちびちびと食し、ちびちびと飲み、ちびちびと語らう(*v.v)。。

そんな夜も好きさ。






















●温物ぬくもの
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葛湯の中に、蟹の蒸し物がたっぷり。

ほっとして、安らぐ感じ。

元気にはしゃぐのもいいけど、ガチャガチャ騒がず、割としっぽり味わう。そんな夜の方が、もともと好きさ





















●揚物
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目光の姿揚げ。

もともと背びれと腹びれがピンととんがっている魚なんだけれど、揚げ物になると、ヒレの骨ももろくなって、

口の中に刺さる様な事は無いようだった。

身はあまく、ほろほろしている。お塩を少しつけて食べると、大変美味しゅうございます(*v.v)。。























●食事
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鰆の炊き込みご飯とお漬物。

鰆って、皮のあたりが美味しいんだねえ・・・

漬物も、とても・・・いや、大変美味しゅうございます(*v.v)。。






















●デザート
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なんだったっけな・・・ちょっと変わったムースみたいなのと、パイみたいな・・・???

昔から記憶力には自信が無かったのだけど、ホント、もう、何を食べたとか、写真見ても全然思い出せない(汗

柿がとても美味しかったのは間違いない(*v.v)。。



紫(ゆかり)というお店で、板長も、店員さんも、とてもフレンドリーで素敵な空気のお店だった。

衣料品店の老爺の言葉の通り、確かに萬重で食べれる様な料理とは違うんだろうけれど、

辺境の宿を予約してしまった僕にとって、このレベルの料理を出してもらえるお店が空いてたのは

大いなる幸運だったんだと思う。しかも、安いし♪

満足満足♪♪























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みんな多分おなか一杯だったのだが、「まあ、一杯くらいなら」って感じで2軒目に流れることに。

古い民家も多い洛北の住宅街を、トコトコと歩いていく。




















●このBARにしよう
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通りから覗き込んだ店内には、20代後半くらいと思しき日本人・外国人混在の男女がたくさんいて、

何かのパーティーをしていたようだ。

幸い、カウンター席がわずかに空いていて、入る事が出来た。




















●今晩は2人で切り盛りしているようだ
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30代半ばに見えるマスターと、20代半ばに見える店員の女の子。

昔付き合っていた子に少し似ていて、なんか、懐かしく感じた。




















●この店も、雰囲気のいいお店だった
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お店の名前はMayday。なかなかいい名前だ。

壁の絵は、京都らしさを演出したものかなあと思っていたけど、店名を表現したものなのかも知れない。





















●京都の夜に、乾杯~
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各々、好みのカクテルを注文。

隣の席の、地元男女は人懐っこい性格なようで面白かった。





















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この店は、料理がとても美味しいらしい。

お店が非常に混雑していたため、僕らはあまり注文する事は無かったが、

例えばレーズンバターを自家製で作っていたり、なかなか頑張ってはる感じ。美味いし。





















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ネロ・・・パトラッシュ・・・違うな、なんか、犬の名前がついた様な名前のお料理。

既に酔いが回っていて、ほとんど記憶が残っていないのですが、大変美味しゅうござった(*v.v)。。

このお店も、もし、またこの近辺に泊まる様な事があったら立ち寄りたいものでございます






















●酔っぱらっていたらしい
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BARを出た後、宿に帰る途中でこんなものを買っていたらしい。

また、酔っぱらって妙な事を口走ったりしてなければいいが





















●船岡温泉
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宿に一旦戻り、近所にある銭湯・船岡温泉へ。驚くべきことに、この銭湯は深夜1時まで営業している。

昔、住んでいた、葛飾区の亀有駅前の銭湯ですら、営業時間はたしか24:30マデだったような。

京都でも勿論、例外的な存在であるそうだ。

しかも、外にあった看板で気づいたのだが、この銭湯、国の登録有形文化財だ。

家に帰ってきて検索してみると、かなり面白いスポットを訪問していたんだなあ、と思う。

とは言え、僕は眠くて眠くて仕方なく、部屋に戻って布団に寝転ぶと、のび太並みの早さで眠りについたzzz






(つづく)