(1)成田→モスクワ・シェレメチェヴォ国際空港



フライト前日、古くからの友達であるシーモおススメの銀座の食堂で日本食の晩餐を楽しみ、

お刺身、イカの煮つけ、おビール、全ておいしかった。満足

食事後、遠方への旅に慣れている彼女のアドバイスに従い、機内でつまめる菓子をしこたま購入。

このお菓子、後々、意外なところで僕を助けてくれる事になる。

翌日、モスクワ・シェレメチェヴォ空港行きのアエロフロート便は12:00発なので、10:00頃に空港に到着。

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時刻表を見て、初めて『モスクワ行き』ではなく『モスクワ経由・パリ行き』の飛行機という事に気付く。

まあ、モスクワまで飛んでくれれば、どうでもいいや。

ちなみに、成田からモスクワまでは大体10時間だけど、今回は、その先が、長いx x;














●空港宅急便カウンターにて『BROMPTON』を回収
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BROMPTONはクロネコヤマトの『空港宅急便』で予め成田に送付済み。

去年の『沖縄ポタ』みたく2泊3日程度であれば、キャラダイスのバッグに荷物を入れて

ドッキングさせたBROMPTON転がして空港まで運ぶ事はそれほど困難ではないのだけど、

スーツケースとBROMPTONを公共交通機関で運ぶのは僕には不可能。

結果から考えると『空港宅急便』を活用したのは大正解、梱包等の色々な手間から僕を解放された。

今まで僕みたいなライトな自転車好きには『難しい!』と思っていた『折り畳み自転車を使った海外ポタ旅行』、

『折り畳み自転車を使ったお手軽海外ポタ旅行』として一気に実現まで導いてくれる可能性がある。

まあ、自転車好きじゃない人にはわざわざ自分の自転車を海外まで運ぶ意味は判らぬかも知れんけど、

ひと言で言えば『ロマン』なんだよね(-▽-)

これについては、また別の項でまとめたいと思う













●アエロフロート機搭乗
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アエロフロート機に乗るのは初めて。

チェックインカウンターに並ぶ人はロシア人(っぽい)だらけ。交わしている言葉はひと言も判らん。

見慣れた日本人旅行客や中国人旅行客は本当に少なく、明らかに旅客の1割もいない。

けど、実際に自分の席についてみると、両脇は何故か日本人。

航空会社はそれなりに配慮して国籍合わせるのかも・・・と思った。
















●印象的なモニターの画像
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着席した時に表示されていた画面。

クスッ。

なんか、こういうテイスト、嫌いじゃない^ ^















●キャビンクルーは『判りやすい』美形揃い
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わー、さすがにロシアのCAさんだけあって、ものすごく判りやすい『美形』揃い

全員、モデルやっててもおかしくないように思う。

とても親切な人がいたり、そうでもない人がいたり、ホスピタリティレベルの個人差が大きいのが、面白い。















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男性キャビンクルーの比率が高かったのも印象的。

今回、4回アエロフロートに乗ったけど、うち1回は、半分が男性スタッフだった。

男性スタッフも俳優並みの美形揃いで、しかも、すごくいいカラダしてるのが目立つスゲー

ヨーロッパ方面に向かう機内で、美形男性の眼福にあずかりたい女性は、アエロフロートを使うといいかも。

















●基本的にロシア連邦領空を飛行
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同盟国同士だし、中国の上飛んでいくのかなあ・・・と思っていたら、国境線ギリギリのところを掠めつつ

ロシア連邦上空を飛んでいくみたい。

『なにもモスクワまで飛ばずとも、ハバロフスクやウラジヴォストックの様な沿海州の町で

乗り換えればよさそうな・・・』と思うのだが、目的地がかなりの田舎で接続する国内線が少ない為らしい。



この地図上のハルビンは、現代の中華人民共和国における東北地域の大都市だが、

80年前、僕のじいちゃんが妻とともに渡り、その後10年間暮らした満州国の都市でもある。

彼は、この地に建てられた大日本帝国農林省(当時)の農業研究施設・『勧農業模範場』で

満州国の風土に合った農作物の研究をしていた筈。

そして、5人の子供を授かり、妻と子供3人は日本に帰る事が出来て、その子供の1人は僕の父親だ。

一方、2人の子供とじいちゃんは帰れなかった。

じいちゃんは右上のハバロフスクに連行された後、この航空路の方向に移送されてしまう。

僕は今、80~70年前の彼の足跡を、上空からおおざっぱに辿っているような感じだ。













●アエロフロートの機内食は・・・?

機内食を楽しみにしている人は少なくないが、僕は割と『クール』に見てしまうタイプ。

だけど、基本的には『美味しくない筈』と思っていた・・・。

その僕の予想は、①『出てきたメニュー』と②『お味』の点で、完全に外れました!



さあ、ロシアのフラッグ・キャリア『アエロフロート』は、国の威信をかけどんなメニューを出してきたでしょうか?


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!?


こ、これは・・・



















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たくあん巻き!?

なんて渋いんだ。

サーモンにぎりもあるぞ。

お味はどうかな・・・

モグモグ・・・







美味しい

お米が美味しい!

しかし、日本人が少ないこの機内で、『アエロフロートのお米へのこだわり』に気づく人がどれだけいるだろう?
















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こっちがメインなのかな。

シーフードピラフの上に、チキンシチューの様なものが載っているもの。

これも美味しい

受験勉強してる時、お夜食にこれが出てきたら喜ぶだろうなあ、みたいな感じ。

ちなみに、次の食事で出てきた『マカロニミートソース』+『鳥のササミとゴボウ・ニンジンのサラダ』も、

とても美味しかった。
















●非・リクライニングのシートで10時間はちょっと長い
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「あと何時間くらいですかね」と、隣の席の女の子から質問される。

『自分の席のモニター見ればいいのに』と思いつつ、「3時間くらいだね」と返す。

30歳手前くらいの子だろうか?

実は、僕らが座ってる席は、機体中央最後列の、景色も見えない上にリクライニングも効かない最悪の場所。

彼女は身体がしんどくてたまらないようだった。

かなり細身・小柄の身体という事もあって、座席の上で器用に身体の向きを色々換えて工夫し続けている。

それはいいのだが、常識がないのか、それとも周囲への配慮に無頓着な旅が当たり前なのか、

僕に肘や頭をガシガシ当ててきたり、挙句、ヒザの上に足を載せてきた。

『旅慣れると、人はこういう感じになっていくのだろうか?』

その子はモスクワでトランジットしてバルセロナに行き、そこから地中海の島に渡ってパーティーするらしい。

KOU「へー。ミコノスみたいな、白い壁の建物が並んでる島?」

お隣「そうね、そんなトコ」

KOU「いいね。そういう島、行ってみたい」

お隣「あなたはどこへ行くの?」

KOU「僕は・・・」

何て言うか、少し迷う。ありのまま言っても、たいていの人には「は?」みたいな話だろうし・・・。

KOU「僕は、今来た道を少し戻る感じ。5~6時間くらいかな」

お隣「え?そんなに!?」

KOU「バカバカしいけど、そうじゃないと行けない場所なんだよね。ハカス共和国ってトコだけど、知らないよね」

お隣「知らないなあ」




まあ、それ以上の説明は特にしなかった。

その子はそこから先もイスの上で一生懸命体勢を変えて、カラダをガシガシぶつけてきたりしたが、

やがて飛行機がシェレメチェヴォ空港に到着すると、「ごめんね」のひと言もなく、パッと消えてしまった。

他の客も、ぞろぞろとキャビンを出て行く。

キャビンがスカスカになったので、僕も降りようか・・・と思って立ちあがってみると・・・














●スヤスヤ
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隣の席の女の子のさらに向こう側の席、ロシア系の幼い姉妹が成田からずっと元気に遊んでいたんだけど、

いつの間にか眠りに落ちていたよう

だきまくら抱いてるみたいに、妹が姉を抱いて寝ている。

近くにいたお父さんにお願いして、一枚だけ撮らせてもらった。

僕は、一気にほのぼのした気持ちになり、初めてのロシアの空港に足を踏み入れる。


(つづく)