5月の2週目に、海外向けの雑誌の取材にくっついて奥飛騨温泉郷と高山を訪問した時の周遊記。
このエリアにこれから出かける方の参考になれば

≪周遊記のINDEX≫
1日目・前半 宮川朝市~八幡神社~飛騨家具~高山美術館
1日目・後半 平湯大滝~平湯民俗村~新穂高の湯~ひらゆの森
2日目・前半 新穂高ロープウェー~高山・東山遊歩道~上三之町
2日目・午後
◎古い町並み(高山市・上三之町)

大通りの方から中橋のほうに向けて、写真を撮りながらトコトコ歩いてきた。

大通りの方から中橋のほうに向けて、写真を撮りながらトコトコ歩いてきた。
取材用に購入した飛騨牛ミンチカツがなかなか美味しかった。
◎高山陣屋

かつて代官屋敷だったり、監獄だったりした高山陣屋。

かつて代官屋敷だったり、監獄だったりした高山陣屋。
高山の著名なスポットなのだが、今まであまりキョーミがわかず、実は来た事がなかった。
実際に見ると、かなり重厚な門構えで風情も感じる。
今回は時間の都合で入れなかったが、次は立ち寄りたいな。
◎春慶塗り

春慶塗りも有名な伝統工芸なのだが、やはり僕らの世代から下の人はあまり知らないんだろうなあと思う。

春慶塗りも有名な伝統工芸なのだが、やはり僕らの世代から下の人はあまり知らないんだろうなあと思う。
職人さんの話を訊き、手にとらせてもらうと・・・
色彩の鮮やかさと羽の様な軽さ。
ともすれば壊れそうな繊細さがあるのに、実はしなやかで見た目以上に強靭な逸品。
『素晴らしいモノなんだなあ』と心から敬服する。
今回、飛騨家具、一位一刀彫、春慶塗りと、
飛騨高山に根付く伝統的な工芸品の取材に立ち合わせていただいたが・・・
地元の人のハナシを訊いて、職人さんの話も訊いて、実際にそれを手にとって眺めてみると、
そこに『これでもか』というほどの技術が注ぎ込まれている事は当然、
何も知らずに『古臭い』と思っていたモノが、実は時代の流れの中でどんどん洗練されていて、
伝統を守りながら進化を続けているんだなあという事もわかった。
今回の雑誌はヨーロッパ向けなんだけど、あっちの人たちも、
オリエンタルだとかエキゾチックだとかそういう要素だけでジャパンのモノを買ってるハズもないよな。
おそらく、僕ら以上にこの国の伝統的なモノづくりに関心を寄せ、敬意を払い、
こういう高価な伝統的工芸品を購入してるんだろう。
◎高山ラーメン

旅のシメは高山ラーメン。

旅のシメは高山ラーメン。
地元の観光担当の方の紹介で『桔梗屋』さんに。

おいしい

高山ラーメン(550円)。
僕が子供の頃から一番大好きな醤油ベースのラーメン。
年配の大将にお伺いすると、高山ラーメンはすなわちフツーの醤油ラーメンなのだそうだ。
戦時中召集されて大陸に渡った兵士が、戦後、復員(日本に戻ってきた)した時、仕事がなく、
(仕方なく)戦時中、大陸にいる時に作っていたソバを作って出したのが、
高山でのラーメンのはじまりらしい。
あまり考えたことが無かったけれど、もしかすると高山だけじゃなくて全国でそうかも知れない。
「そういえば、僕がまだ子供の頃は『支那そば』と呼ばれていましたっけ」僕が言うと
「今、その言葉は蔑称扱いになってしまいますからねえ」と、初老の観光担当の方がやんわりと言った。
ああ、そうか・・・。
僕は醤油ベースなシンプルなのが好きで、単純に一番しっくりくる名称が『支那そば』だった。
それが、いつの間にか世の中では『支那そば』と言わなくなり、『中華そば』と言わなくなってたな。
蔑称のつもりなんて微塵も無かったが、でも、あまり中国の人に出会う事がない人が言うならともかく、
僕らみたく観光を生業とし、中国の人と出会う事が多い立場の人間としてはデリカシーに欠ける言葉か。
あの指摘はありがたかった。気をつけなければ。
一歩戻れば、日本人よりも外国人の方が多く見える街・高山。
伝統的な深みを持つモノも、単なる観光客目当ての新しいモノも、ごちゃまぜになっている。
今の上三之町は、もしかすると後者が多いかもだ。
あそこを歩いただけでは、この街の魅力は3割もわからないかも知れない。
今までの僕がそうだった。
また、探訪しに行ってみよう。新しい発見は、まだまだありそう。
コメント