ウチの会社の連中は誰も気づいてくれなかったが、去る4月25日でナゴヤ勤務3年となった。

以前よりもますます遠くなった事で、盛岡の実家に帰る機会も年1~2回となってしまっているが、

その割りに、この3年間けっこう色々な方法で里帰りしている。



1.近鉄線+バス(小牧空港)+飛行機(花巻空港)+お迎えの車 →大体3時間

2.近鉄線+東海道新幹線+東北新幹線(盛岡)+東北本線(紫波中央)+お迎えの車 →大体6時間

3.近鉄線+高速バス(仙台)+東北本線(紫波中央)+お迎えの車 →大体14時間

4.タクシー+フェリー(仙台港)+仙石線(仙台)+東北本線(紫波中央)+お迎えの車 →大体29時間



そして今回、免許を取り直し、さらに格安のレンタカーを見つけた事もあって、

『仲のいい友達と一緒に春の東北を回るのも面白いかも』という事でクルマで帰ってみる事にした。

同行者を募ってみたところ、大学時代の友人のT(静岡市在住)が快く付き合ってくれるという。

彼はもう3回ほどウチの実家付近を旅している筈だが、

以前訪れた桜の時期の北東北は、よほどのお気に入りだったようだ。

さあ、4泊5日という長丁場のドライブに出かけよう。

※今回は旅が長いので、テキストはテキストでまとめ、基本、写真は別でアルバムの様にUPします。



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■5月2日
この日は時間調整と節約の目的で、一部を除きほぼ下道で名古屋→静岡市清水→浦和までを走破。

8:30出発→休憩も含め21:00到着とほぼ12時間ほど走った。

学生の頃よく利用した「バーミヤン」をわざわざ探して夕食(笑)

サウナで仮眠をとる予定だったが浦和・川口周辺には全く見当たらない。

やむなく、渋滞回避も考慮してそのまま東北道・矢板ICを通過してPAで仮眠。






■5月3日
朝5時前にPAを出発。

渋滞回避の為の最善は尽くしたつもりだったが、福島県内・宮城県内で断続渋滞にハマる。

予定の4時間遅れとなり、弘前・鯵ヶ沢などの青森コースは断念せざるを得なかった。

昨晩からの大雨も続く。

しかし、仙台を抜ける頃には雨脚が弱まり、渋滞も完全に解消。

クルマのスピードも加速してゆく。

岩手県内に入った瞬間、数枚の桜の花びらが「ふわっ」とフロントガラスを撫でてくれるのを

見逃さなかった。



風花(かざはな)

晴天時に雪が風に舞うようにちらちらと降ること。



『ただいま』





実家付近に差し掛かる頃には雨も止み、自分の晴れ男パワーを確信した。

ただし、その後は雨パワーに押し切られる。

この日は八幡平アスピーテラインを走り、有名な湯治の温泉「玉川温泉」で汗を流す。

ここは専門の医師も在籍し、重い病気の快癒を目指す本格的な温泉でもある。

浴場は非常に特徴的で、源泉100%の湯や、源泉50%の湯、それぞれの温度や深さなど色々あり、

自分に適したお湯に浸かるというもののようだ。

100%のお湯は非常に刺激が強くて、それで顔を洗うとヒゲの穴がピリピリしてくるくらい。

また、あそこの先っちょの穴にもしみてくるような刺激を感じる--;

前にどっかでもこんな温泉があったが、ここは更に強力なカンジ。

みんなは平気なのだろうか?目に入ったらやばいんじゃ?

・・・前の時同様、いろんな疑問が浮かんでくる。




実家に帰って久々の親との夕食with T。

「美味しいモノを食べに行こう」と誘っていたのだが、「料理を作りたい」と母に拒否されていた。

到着してみると、旬の山菜の天ぷらと和え物、そして田清のお鮨で待ってくれていた。

Tも含めて、笑いながら和やかで楽しいひと時を過ごす。団欒っていいね。

宿泊は実家にした。






■5月4日
この日も朝から雨。

小岩井農場もざんざん降りなのは容易に想像がついたが、

何人かのオミヤゲはどうしてもここで買いたかったので、足を運んでみる。

アイスを買うかチーズにするか迷ったが、おつまみとして使えるチーズを選択。

その後、武家屋敷+桜の名所「角館」(秋田県)に移動して観光。

角館では豪雨は上がっていたものの、前日まで満開だった桜は、すべて絨毯の様に地面を包んでいた。

前に来た時はどんな景色だったろう?昼の桜だったか、夜桜だったか?

このTとは前にも角館に来た事があるのだが、彼の記憶と自分の記憶が噛み合わない。

今まで他の友達や彼女をここに連れてきた事があるので、それらの記憶とごっちゃになったようだ。

思えば先ほどの小岩井でも、前日の八幡平でも同じ様な事があった。

『アルツかしら』と嫌な汗が流れる。

アルツに効く温泉とかあればいいのに。






結局、岩手・秋田通じて雨模様で、Tが楽しみにしていた岩手の絶景も、角館の桜もダメだった。

彼は過去にどちらも見た事はあるとは言え、申し訳なく感じる。

横手に移動してB-1グランプリの1位に輝いた「横手焼きそば」を食し、

その後、岩手の水沢に移動して食事。

世界遺産・平泉には時間の都合で立ち寄らず、この日の投宿地である『東鳴子温泉』に移動。

宿で晩酌をして床につく。








■5月5日
朝、起きると、雨は止んでいた。

朝風呂で向かった男湯はお湯はいいものの非常に狭く、シャワーも無い。

やむなく混浴の大浴場に行ったら、脱衣所(男女共用)で若い女の子が服を脱いでいる所に出くわした。

反射的に「あっ、すみません」と口に出たのだが、

その子は気にする風でもなく、逆に「どうぞどうぞ」と少しずれて場所を空けてくれた。

しかし、さすがにその脱衣所は出て、もうひとつの脱衣所(やはり男女共用)から大浴場に入った。

ツーリング仲間かなんかなのだろうか、若い男2人と若い女2人が湯船の縁に腰掛けておしゃべりしている。

僕が風呂場に入っても、誰も気にも留めない。

脱衣場では不意を突かれて焦ったものの、突然出くわすというワケでもなければ、

見ず知らずの若い女が風呂に入っていても男同様に案外意識しないもんだった。

まあ、10代とか20代とか若い頃だったら、僕もドラマやマンガの登場人物同様ウキウキしてたかも(笑)

男湯と違ってキョロキョロするのは憚られたが、その分泉質の良さにうっとり。






旅館を出て東北最高峰の鳥海山に向かう。

途中、再び激しい雨。

到着した鳥海山は、5m先も見えない様な濃霧--;

山荘でとった昼食が思いのほか美味しかったのに救われる。

鳥海山を離れた後、天気はぐんぐん回復し、道中、田舎道で素晴らしい村社と桜の木の光景に出会う。

鳥海山を離れるタイミングがあと1時間遅かったら、雨上がりの絶景を見れた事だろう。

そして、ずっと行きたかった『銀山温泉』へ。

銀山温泉は大正時代の旅館街が残る趣深い温泉地。実際に行ってみて、本当にファンになった(笑)

何時間でもいたくなるカンジ。

今度はここに泊まりにこよう。絶対に。

この後、投宿地である北茨城の『平潟温泉』に高速移動。

またしても深夜到着になり、宿で晩酌。






■5月6日
天気は快晴だった。

今回の旅の中で一番入浴しやすい(キレイ・広々)の朝風呂でノビノビと朝風呂に浸かり、

近所の漁港を散策。

一部、津波の被害が残っているようだが、海の景色はよかった。

美味しい旅館の朝食をとり、8時には出発。

超快晴の常磐道は渋滞もなく非常に快適。

途中、柏で高速を降りたいキモチが高まったのをぐっと我慢、外環、首都高と順調に走る。

スカイツリーや大都市ならではの光景を楽しみつつ東京を通過して東名進入。

依然として快走。

『最後の楽しみ』と思っていた富士山だけは、分厚い雲に覆われてその姿を拝めない。

そして12時前には清水に到着。

創業90年の洋食屋で昼食を取った後、費用の清算、Tと別れる。

再び東名に入るが、第二東名との合流点である「三ケ日」付近で渋滞に捕まる。

時を同じくして、急激に天候が悪化して叩きつける様な雨と突風に襲われた。

周囲の山や鉄塔に次々に落雷が発生し、竜巻でも発生するんじゃないかと思ったくらい。

幸いにして悪天候は治まり、名古屋に着く頃には真夏の様な快晴になっていた。



名古屋到着は16時過ぎ。




「ただいま」




旅の中で「ただいま」と言った場所。

東京→花泉(岩手の入口)→紫波(実家)→柏→名古屋。

湾岸線から見下ろす名古屋の街、街の大きさは東京にはかなわんけど、

港の大きさは東京より遥かに巨大だなあと実感した。

さすが世界最大の工業港。

名古屋の街が、出発した時と少し違って見えた。





こんなカンジで4泊5日、合計2700kmのドライブは終わった。

初めての超長距離ドライブ、楽しかったけど、多分、二度とする事は無いだろう(笑)

色々課題もあったりして、『予定の組み方』の勉強にはなったね。

『超長距離』はもう無いにしても、また別のカタチでのドライブ旅行にこの経験を生かしたい^^