●チェックアウト
「新城飯店」でチェックインする時、バウチャーを見せたら宿泊料金の10%程度を追加請求された。
予約サイトに「サービス料あり」と書かれていたが、『結構高いな』と思いながら払った。
・・・んで、チェックアウトする時、冷蔵庫のスプライト1本の代金を清算しようとサイフを取り出したら
フロントのスタッフ君に領収書を出して下さいといわれた。
予約サイトに「サービス料あり」と書かれていたが、『結構高いな』と思いながら払った。
・・・んで、チェックアウトする時、冷蔵庫のスプライト1本の代金を清算しようとサイフを取り出したら
フロントのスタッフ君に領収書を出して下さいといわれた。
「え?なんで?」
「〇×△◆☆□・・・・・」←英語で何か説明してる。どうやらあのお金はデポジット(預託金)だったらしい。
「ゴミ箱に捨てちまったよ」
彼は驚いて、すぐにルームキーパーに内線をかけて確認した。
まあ、出てこないだろ。捨てたのは一昨日だから。
結局、彼は僕のパスポートをしっかり確認した上で、デポジットを返してくれた。
明らかに着服出来た筈なのに、親切だなあ。
他の館内スタッフも、ルームキーピングもとてもいいホテルだった。
「再見」気持ちよいスタッフ達の挨拶に、気分もよくなってくる。
僕もフロアのスタッフたちに都度「再見」と声を掛けながら玄関を出ようとした。
そしたら、玄関の手前にいた中年男が「不要再見(サヨナラなんていらん)」と言ってきた。
少しギョッとしたが、真意が判らず『まあ、日本人嫌いかもなあ』と複雑な気分でホテルの回転ドアを出た。
さて、残された時間は半日。
この日は今上海で最も楽しいといわれる『田子坊』と、昔から有名な『新天地』に行きたかった。
田子坊は洒落たカフェや雑貨屋などが建ち並ぶ街で、新天地はまあ銀座みたいなとこだ。
どちらもここから歩いて行けそうな距離だ。
地図を広げようと思ってたら、ホテルの中からさっき声をかけてきた男が追っかけてきた。
「プードンエアポートだろ?送ってくぜ」と英語で言ってくる。
なるほど、彼は客待ちのタクシーの運ちゃんだったか。
「いや、まだ帰らない」
「何処に行きたいんだ?俺が連れてってやる」
「田子坊(ティエンズーファン)に行きたいんだが」
「田子坊? はは、やめとけやめとけ。 あそこに行くのは2時間はかかるぞ」
「2時間!?田子坊は近いだろ?」
「あそこは渋滞がひどくって時間がかかるんだよ。他に行きたいところはないのか?」
「新天地(シンディエンディ)」
「同じだ、やめとけ。俺が選んでやるよ。うーんそうだな、朱家角(ジュウジァジァオ)はどうだ?」
朱家角。確か上海のはじっこの方にある水郷の町だ。
「遠いだろ?」
「高速を使えば問題ない」
遠いって事じゃないか。
「15:30までに空港に戻りたいんだが、本当に大丈夫なんだろうな?」英語に自信が無いから余計に怖い。
「大丈夫さ!まかせとけ!!」
結局『強生タクシー』社の信用度+彼の嫌味のない積極さもあり、朱家角~浦東国際空港の案内をお願いした。
聞き忘れてしまった彼の名だが、雰囲気からなんとなく『ヤン(楊)』と仮称する事にしよう。
●上海高速
背景は首都高みたいだが、車線が多い。
背景は首都高みたいだが、車線が多い。
車の流れは日本の都市高速の倍ほど順調な反面、運転が荒っぽい車が多い。
有人ゲートもあるけどETCレーンもある。日本と同じだな。
上海虹橋空港を過ぎ、ようやく近づいてきた朱家角。後で調べたら、ホテルから片道48kmくらいあった。
ヤンもそうだけど、上海人はとにかく商売上手だ。
●朱家角
朱家角は1570~1623年に築かれた古鎮(古い町)だ。
朱家角は1570~1623年に築かれた古鎮(古い町)だ。
GWに歩いたトコナメに似たゆる~い空気が流れていて、予想より面白い。
この町は、しっかりと入場料を取る町だが、普段から本当に人が生活しているところでもある。
チケットは何種類かあり、それによって入れる施設や使える乗り物が変わってくる。
古い町で並んで歩き出すなり、ヤンは僕にタバコを一本差し出した。
「吸わないんだ」と丁重に断る。
「そうか」彼は笑ってそのタバコをくわえた。
タクシーの車内は禁煙を徹底しているようで全く臭くなかったが、彼自身は愛煙家のようだ。
そういえば、中国ってタバコ吸ってる人が多い。
ごらんの様に、運河を中心として・・・
古い家々が連なっている。
「この路は1500年代からある路なんだ」
ヤンは要所要所でその場所の説明をしてくれる。
僕がある程度チャイ語を話せる(理解出来る)のを知ってからは、彼は一切英語を使わなくなった。
涼しげな白い壁の家が多い。
出稼ぎに行ってる家だろうか?
近所づきあいの濃さというか、そういう風土が感じられる。
80元のチケットがあれば、全てのサービスを利用できる。
とても暑い日だったが、ひさしのついた船に乗ると、なかなか心地よかった。
●郵便局
「これは清の時代に建てられた郵便局で、唯一現存するものなんだ」ヤンが言った。
「これは清の時代に建てられた郵便局で、唯一現存するものなんだ」ヤンが言った。
博物館になっていて、100年以上昔の郵便物や当時の家族写真を使った絵はがきなどが興味深かった。
郵便局を出てしばらく歩いた後、まだ出していなかった友達宛の絵はがきを
ここで買って投函すればいい事に気付き、ヤンと共に引き返した。
しかしチャイ語で「ハガキ」という単語を覚えてない。
「POST CARDを買いたい」と英語でヤンに言ってみる・・・が、伝わらない。
「POST CARD」は局員たちにも通じず『何しに戻ってきたんだ?』ってカンジで僕を見る。
仕方なく電子手帳でチャイ語を調べると、ハガキは『明信片』(ミンシンピェン)だった。
ヤンに伝えると、彼は腹を抱えて笑い出した。
「他説明信片」(「ハガキ」だってさ!)
爆笑の渦の中、ヤンは愉快そうに絵はがきを一枚買い、僕にプレゼントしてくれた。
絵はがきは友達に出したかったのだが、見た目がイマイチだったので投函しないで持ち帰ってきた。
●上海浦東国際空港へ
その後、ヤンは平均速度125kmでぶっ飛ばし、約90kmほど離れた空港に予定より10分早い15:20に到着。
その後、ヤンは平均速度125kmでぶっ飛ばし、約90kmほど離れた空港に予定より10分早い15:20に到着。
気になるタクシー代。半日ほど拘束したにも関わらず、請求は950元(約12,500円)だった。
日用品の相場は日本の約4分の1だとしても、安い様な気がする。
しかも、料金の説明についても高速料金●●元が含まれているなど、かなり丁寧に説明してきた。
上海、でたらめな連中も多いけど、ホテル、お茶屋の女の子、ヤンなど律儀な人も多いなあと思った。
チップを払おうとすると「もらえないよ」と2回断ってきたが、結局お釣りと合わせて150元ほど渡した。
やり手の運転手、ヤン(仮)。
陽気な男だった。おかげで楽しいひと時を過ごせた。
この日巡った町の一角に有る道教寺院の壁にあった『縁』の文字。
色んな人との『縁』が楽しい旅行だった。
コメント