※この記事は読み終わるまで10分くらいです。
ヒマな時に、のんびりお愉しみください。



2021年11月6日(土)17:49
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明日の救出作戦実施の最低要件は「今晩中のトレッキングシューズの入手」

猶予は「あと1時間ほど」しか無い。

木曽福島駅に到着するや否や、僕は駅前のタクシーに飛び乗る。




KOU:
「まずは近くのコンビニに
次にホームセンターに!!
最後は開田高原(カイダコウゲン)の宿に頼む!!


運ちゃん:
「・・・は?


KOU:
「早く!お店が閉まっちゃう


運ちゃん:
「そんなに焦って、何買いたいんスか
それに、ホームセンターから開田高原???


KOU:
「ゴアテックスブーツが欲しいんスよ
早く出して!!


運ちゃん:
「あ、登山ですか
なるほど、だからホームセンターから開田高原なんですね!


KOU:
「全然違うけど、もう、とにかく急いで


運ちゃん:
「でも、ホームセンターは長靴しか無いから、
町内のスポーツ屋さんのほうがいいッスよ!

あと、今、セブンは改修中なので、
カネを下ろしたいなら信用金庫スよ



KOU:
「え、そうなの!?


運ちゃん
「ああ、でも、もう閉まっちゃうかも。
まいったね、こりゃあアハハ


KOU:
「早く出して!!




あぶねー!

1人で行動してたら、カネも靴もどうにもならなかった可能性が高い(→詰み)

急いで信用金庫に移動して15万円出金!

装備購入代金も2万以上はするだろうし、クレカ使えない店もあり得る。

さらに、明日の救出作戦の流れ次第で、複数の人に謝礼払う様な事になるかも知れないし、キャッシュは十分に用意しておくべきだ!





その後、町内のスポーツ店さんに移動!

あいにく、僕のサイズのゴアテックスブーツは品切れ。

ただ、「多少の防水性能はあるトレッキングシューズ」はあった。

とにかく、トレッキングシューズは絶対必要で、買わない選択はあり得ない。

気休めで「防水スプレー」も合わせて購入、合計8,000円くらい也!






運ちゃん:
「うーん、ホームセンターは間に合わんですね


KOU:
「くうっ






結局、軍手や強靭なロープは入手出来なかったが、靴を買えたのはかなり幸運だったといえる。

その後、セブン以外のもうひとつのコンビニ・ヤマザキデイリーに立ち寄って晩ごはんを購入。







運ちゃん:
「ほんとに開田高原までタクシーで行きますか?
結構遠いですよ


KOU:
「もう、疲れてるし、頼むよ







●・・・宿にはなかなか着かなかった
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明かり一つない道が延々と続く。

話好きの運転手から色々な話を聞けて退屈はしないが、10分、20分経っても、目的地に着く気配が無い。




KOU:
「・・・ずいぶん遠いね

運ちゃん:
「福島から30キロくらいありますからねえ

KOU:
「そう・・・







●宿まで12,000円かかった
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運ちゃん:
「登山でもないのに、何故こんな遠くの宿に

KOU:
「ここしか空いてなかったからだよ!

さよならっ



宿代は6,000円くらいなのに、タクシー代と合わせると2万近い。

しかも、こんな苦労してやってきても、明朝は木曽福島にとんぼ返りさ。







●まさに過去最悪のポタ旅
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2017年の大連、2018年のイスタンブールの苦難と同等といえる。まさか国内でこんな目に遭うとは。

とはいえ、ケガ一つしなくて済んだのは幸いだ。直前に購入した折り畳み式メットが奏功した。

足のマメも、水中を歩いた回数が少なかった為に1か所だけで、簡単に手当出来た。

また、あのタクシーの運ちゃんだったから、靴の購入も間に合った様に思う。

『最悪の中でも、意外とツイてたと思う』



コンビニ弁当を晩ごはんに頂いた後、広い湯舟に浸かり、念入りに足をマッサージ。

あとは、早めに寝よう。

しかし、なかなか寝付けず、夜も頻繁に目が覚めるのだった・・・。











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木曽路2021・秋
(7)

「BROMPTONくんヲ救出セヨ!」篇










●2021年11月7日(日)06:50
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「さあ、行くぞ

「これでもか」と防水スプレーをかけた新品トレッキングシューズを着用。

履き古したスニーカーはゴミに出して、出発だ!







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気温は0℃でチョイ冷えるが、景色は美しい。

やってきた7時発のコミュニティバスに乗り、木曽福島駅に向かう。

昨晩タクシーで12,000円かけてきた道、コミュニティバスなら、なんと・・・200円







●車窓の景色はとても美しかった!
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これがMt. Ontake

何て美しさ。

登山に関心の無い僕でも、ここは登ってみたい!

来年、ポタ旅+登山のツアーを組んでもよさそうだぞ。







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里山地帯も、美し過ぎる









決めた。

来年、ここに走りに来よう。

その為にも、BROMPTONくんを必ず救出する!











●そして、宿を出て2時間58分後
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時刻は09:48。

贄川宿を過ぎ、奈良井川にかかる橋を渡る。

・・・還ってきたぞ!








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この『壊れた世界』へ!!



軽く全身をストレッチ。

深呼吸して、メット装着。

フロントバッグは木曽福島駅のコインロッカーに預けてきた。

持ち物はポケットのペットボトル1本と補給食だけ、両手はフリーハンド。






さあ、救出作戦だ!

作戦は2段階で展開する。


第1段階「下ごしらえ」
作戦内容 目標地点への移動、道中の観察、脅威排除
目標地点 BROMPTONくんのトコ
制限時間 12:00(今から2時間以内)

第2段階「救出」
作戦内容 2人揃って目標地点に移動
目標地点 ココ
制限時間 16:00(今から6時間以内)






●救出作戦「第1段階」発動!
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ううむ・・・









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やはり、「どうすれば通れるのか判らない場所」がいくつかある・・・








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ここもかなり厳しい・・・







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この「けもの道」しか通れなそう。

かなりの傾斜で、荷物なしでも怖い。

BROMPTONくんを携えて通る自信はゼロ・・・






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・・・ルートをしっかり検討して・・・






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障害になる枝を、全て排除していく

(ここまでも、可能な限りで排除してきている)







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数か所は沢に入って渡るしかない。

このブーツ、2回の渡渉では浸水しなかったが、5~6回は保たないだろう・・・







●おや
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昨日気づかなかった遺物

これは「桟道みたいな道」ではなく、「橋」っぽい。






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子ども3人が横並びで安全に歩けそうな幅

おそらく、往時はこの上に土がかかった土橋だったろう。









●その先、昨日見かけた構造物
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やはり、こちらは「桟道の様な道」にしか見えない







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この路盤に沿って、丸太の足場で拡張された道が沢沿いに続いていたのだろう






●その先、倒木地帯
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地獄に戻ってきた。

このエリアは、BROMPTONくんを抱えてだと時速100~200mしか進めない。

さっきの谷の入口からBROMPTONくんまでおよそ1kmこれが続いていたら、今日6時間まるまる使っても、全く脱出に至らない筈だった。

でも、谷の状況は違った。

昨日、僕は、倒木地帯の出口までほとんど到達していた事は判っている。







●11:16
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BROMPTONくん

よかった、野生生物に悪さされた後も、夜露でビショビショという様なこともない!

無事だ!

そして、この目標地点に制限時間より40分早い1時間20分で到着。

昨日、一度確認しながら下りているから、やはり早いのだ










救出作戦「第2段階」を発動する
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この先、自転車形態では全く先に進めないのは確認済み。折り畳むしかない。

普段、BROMPTONくんを持ち上げての移動などしない僕は、ショルダーベルト等を持ち歩いていない。また、昨晩、そういった事に使えるようなベルトやロープを購入したかったが、出来なかった。

仕方ないので、サドルを伸ばして、肩に引っ掛けて下ることにする。

BROMPTONくんはオプション装備「ブロンプトンステッキ」で、サドルを少々伸ばした状態でも折り畳み形態が崩れないのがせめてもの救いだ。






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さあ、一緒に帰還するぞ!

BROMPTONくん











●木曽路ポタテーマ曲(*v.v)。。 NOMADIC NATION 2「Esperanza LONG」(KONAMI 2014)










●沢を渡る!
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●丸太や岩を置き台に、杖の様にも機能!
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「BROMPTONくんは、お荷物なだけではない!!」








●倒木ものりこえ・・・
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●そして、くぐりぬける!

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●倒木のねっこも、土まみれになってくぐる!
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●もちろん、めちゃくちゃ大変だけど・・・
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昨日の地獄と比べりゃ、明らかに天国









●なにくそ・・・!
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●負けにゃい!
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●しかし、肩はくだけそうだ
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あとで、間違いなく大あざになるだろう。

ショルダーベルトほしい









●とにかく、ひたすら下る!

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●渓流下り地帯に突入!
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●あの「崖渡りしかない場所」にやってきた!
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この崖をトラバースするのは、マジでおそろしい・・・









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く・・・








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辛うじて突破









●難所がつづく!
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ひー








●大荷物をかかえながら崖っぷちの茂みをかきわける!
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過去最悪の遭難ポタ







●・・・突破!
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この写真を撮れる人は、日本でもあまりいないだろう

(そもそも、こんな事する必要が無いから)








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●抜けた・・・
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そして、僕の目の前にこれまでと違う光景が広がる。

















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ああ・・・

谷に入る時、置いていった予備ペットボトル入りのコンビニ袋だ。


戻ってきた!!

一気に力が抜けて、コンビニ袋の上に座り込む。

1分後には体中の汗が冷えて、カラダが震え出した

現在時刻は13:47。

制限時間の2時間10分前。

『思ったより早かった』と言えるのか?

実際はそうでもない。

計算してみると、昨日と今日の「平均移動速度」は大差なかったからだ。







●「崩壊古道」遭難ポタの道程
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●11/6(昨日)
地  点 運命の分かれ道→救出地点

距  離 約2km

所用時間 5時間

平均速度 時速400m



●11/7(今日)
地  点 救出地点→谷の出口

距  離 約1km

所用時間 2時間10分

平均速度 時速430m



今日は「2回(昨日と今日)下見して、予め詳しくルート設計して、脅威を排除して、トレッキングシューズも履いて、重くて嵩張るフロントバッグも無くて・・・」など、昨日より圧倒的に有利に対策が出来ていた。

にも拘わらず、平均速度は昨日と比べて1割も上がっていない。

そして、これらの対策が無ければ、とても制限時間には間に合わなかっただろう。






●よく無事に出られたもんだ・・・
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色々なピンチを乗り越えて、僕たちは、またしても「しょーもない」・・・

・・・しかし、どこか知的好奇心・探求心を刺激する様な新たなる戦歴を重ねる事ができた!



(次回、完結篇)



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