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●2023年9月19日(火)15:30すぎ(トルコ王国現地時間)
この旅で既に何度目かのジャッジメントタイムを迎えていたKOU!
何の連絡もせず出かけたイスタンブールで、前の店が無くなっていたにも関わらず、お目当ての「絨毯屋の社長」に出会うことができた。
前回5年前(2018年)の出来事は社長にとってもレアだったのだろう、彼も僕のことを覚えていた。
社長「え?なになに、突然どうしたの??」
この旅で既に何度目かのジャッジメントタイムを迎えていたKOU!
何の連絡もせず出かけたイスタンブールで、前の店が無くなっていたにも関わらず、お目当ての「絨毯屋の社長」に出会うことができた。
前回5年前(2018年)の出来事は社長にとってもレアだったのだろう、彼も僕のことを覚えていた。
社長「え?なになに、突然どうしたの??」
KOU「いや、フラリと近所まで来たら懐かしくて、社長を探してみたのです」(←一応、事実である)
社長「また今回も自転車持って・・・?ああ、あの時の自転車それだね。覚えてるよニヤニヤ」
KOU「いやあ、あの時は大変お世話になりました」
さっき食べたばかりだけど、今回もお願い事あるし、この誘いは断れないな
それはそうと、僕がかなり気になっていたのはコロナや、半年前に起こった大地震の影響だ。
社長「ああ、コロナね。ウチは大丈夫だったけど、観光客向けの絨毯屋はだいぶ潰れたね!」
社長曰く、社長の店の通りの1区画で、コロナ前から残ってる絨毯屋は2軒だけじゃないかとのこと。
社長「ウチは従業員1人もやめさせなかったよ!」
KOU「えー、すごい」
彼の店は強力な太客がたくさんいて、ピンチを支えてくれたらしい。百貨店のお得意客の様なものか。
社長「地震は本当に大変だった。震源地がトルコ絨毯の産地だったの。ちなみに、僕の故郷もそのあたり」
KOU「え!? それは・・・大丈夫だったのですか?」
社長「うん、僕の家族はね。知り合いは何人か巻き込まれた」
そうだったのか。
あの大地震、震源地はトルコの西側にあるイスタンブールからはだいぶ離れた東側(シリアとの国境近く)だったから、社長が巻き込まれるとしたら経済的な打撃だろうと思っていたけど、まさか実家付近だったとは・・・。
KOU「・・・とにかく、社長やご家族が無事でよかったですね」
社長「まあ、そうだね」
●社長「あそこの店で食べよう」
通りには心地よい風が吹いている。
KOU「涼しいですね~♪」
前に来た時もそうだった。9月でも、ホテルは窓を開けてればエアコン不要だった。
社長「今日は涼しいね。でも、昔よりだいぶ暑くなったよ。だんだん、イスタンブールもクーラーつけないと駄目になってきてる。そして、クーラー増えると、その分街が余計暑くなっちゃう。残念だよね」
●では、5年ぶりの再会にカンパーイ
さて。相談事をしないと。
KOU「実は、今回も困りごとがありまして」
社長「ん?変な女にひっかかって追っかけられてるとか?」
KOU「違う」
(彼は、旅の中では極めて珍しい「日本語話者」で言語でのやりとりにストレスが無いのが非常にありがたいが、その分、ジョークの頻度も多い)
KOU「実は・・・」
社長「なになに、『手持ちドルが全く無くなってしまった。絨毯1枚を定価より高くカードで買うので、キャッシュをバックしてほしい』?
わかった、勿論OKさ!!」
KOU「おおっ、さすがに話が早い」
●助かった
カラダにのしかかっていた「金欠ストレス」が一気に霧散していくのを感じる。
『これで、ようやくフツーの(カネを気にしなくていい)旅に戻れる』
●お酒が美味い!
カルピスサワーみたいなシュワシュワしたお酒。
フルーティーで美味しい
グビグビグビ~♪
社長の絨毯屋の話もとても楽しい。
KOU「イスタンブールに移住して、絨毯屋とかやったら面白いでしょうね~」
社長「やってみる?日本人の子雇ったこともあるけど、ウチで雇っても全然いいよ」
どんな条件なのか聞いてみると、収入のベースラインはさすがに今の仕事の稼ぎには遠い。
でも、この町に住めるならそれでもいいかなあ、なんて思えてくる。
『でもなあ』
もうちょっと若かったらなあ、ってのはある。
ぼちぼち故郷に戻って、年取った親の面倒見たいなあ、という思いもあるしな
脳内レベルは学生時代と殆ど変わらないが、環境は50代手前。
それでも、飛び出す人は余裕で飛び出していくだろう。
残念ながら、僕はそれが出来る性格ではなさそうだ。
多分、何歳でも、逡巡して出来なかったろう。
●社長「これ、日本の寿司屋で出すとすごくいいと思うんだけどね」
「お、おいしい」
マグロっぽい魚をスモークした様な類の料理だった(たしか)。
日本にありそうな見た目なのに、日本では全く食べたことがない食感・お味
めちゃくちゃ美味しくて、たしかに、寿司屋で食べたいと思った。
●「大変おいしゅうございました・・・」
ビール1杯と「カルピスサワーもどき」1杯しか飲んでないのに、クラクラする
結構、度数高かったのかもしれない。
社長「お酒弱かったのかダイジョーブ??」
KOU「ダイジョーブです」
社長「酔いが醒めるまで、店の地下で寝てるといいよ」
案内された地下室は絨毯だらけで「懐かしい」と感じた。
そこに、初老のスタッフさん(見覚えがあった)がトルコ絨毯を敷いてくれた。
社長「その上で休むといい」
カネの工面がついてホッとした感覚と、『トルコ絨毯ってそれなりに高額だったよなあ・・・』といういくばくかの不安に包まれながら、僕は意識を失ってゆく・・・
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2時間後
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●2023年9月19日(火)19:14(トルコ王国現地時間)
「はッ」
●ここは・・・
古い・・・トルコ絨毯。
絨毯の山、だ
「高そうな」絨毯の山だ。
そうだ、絨毯買わないとキャッシュを手に入れられない。
旅ももう半分過ぎ。
手持ちキャッシュは5万円分もあれば十分な筈だ。
だったら、おみやげ代わりに5万円くらいの絨毯買って、倍の10万円分カードを切る様にしてもらえばいいか。
『5万の絨毯か・・・』
トルコ絨毯の中では爆安の類なんだろうけど、さほど関心が無い僕には高いなあ。
(前回は結局4万円と1.5万円のものを買った記憶がある)
そんな事を考えながら、社長に「絨毯を選びたい」と伝えると、社長は頷いて僕の目の前に絨毯を広げ始めた。
ん?
なんだこれ。
めちゃくちゃ古そう
なんかカッコイイが、ビンテージって奴じゃないのか??
KOU「これはどんなものなのですか?」
社長「約100年前の絨毯づくり名人の兄弟が作ったもの」
KOU「へえ・・・」
社長「擦り切れているのはね、イスラムのお祈りで使うものだから。
これ敷いて何年、何十年も祈り続けたから擦り減っている。」
KOU「そういうヒストリー、大好きだな・・・お値段は?」
社長「90万円」
KOU「ブフォッ」
●「そんな買い物は出来んですよ」
社長「だったらこれだったらどう?」
KOU「ほお・・・キレイですね」
社長「50年くらい前のものなんだけどね」
KOU「・・・こちらはおいくらなのですか?」
社長「40万円」
KOU「・・・」
●プレゼンテーションされた絨毯は、どれもなかなか高額
僕はたまらず言った。
KOU「社長!
前回来た時には『素人はビンテージには手を出さないほうがいい』って自分で言ってたのに、今日は全部ビンテージじゃないですか
僕にはこれらの真贋とか全くつかないと判ってるでしょうに」
社長「たしかにそうね。無理にとは言わない。
ただ、僕は商人として、本当にいいものを仕入れた時、それを薦めたい人がいる時に伝えずにはいられないんだよね。
あなたは本当にユニークで面白いし、訪ねてきてくれて嬉しいから薦めている」
その話がどこまで本当なのか全くわからない。ってか、トルコ絨毯、全くわからない。
多分、これらの絨毯にはそれなりの価値があるんだろう。高級時計などと同様コレクターの世界があるらしいのは、前回旅の後に検索して調べて分かっている。
『ただ』
問題は、「絨毯」という商品に、僕が全く関心が無いということなんだよなあ。。。
社長「買った後、もしも要らなくなったり、手放したくなる様なことがあれば、僕が売値で買い戻してもいい」
社長は本気で言ってるんだろう。
これまで社長には通算3日しか会ってないが、おそらくアコギな商売人ではない。
でもな。
仮に、万が一。
僕が相場とかけ離れた価格で絨毯を買ったとしても、それが何だというのだろう。
ここで僕が絨毯を買うのだとしたら、それは資産だとかで買うんじゃない。
「ロマンの為」の購入でしかない。
僕のロマン旅は一期一会(*v.v)。。
国内旅ではさほど自分のお土産を買う事はないが、ロマン旅では毎回何かしら自分の為に買っている。
子供の頃から夢想していた異世界感のある旅をした上で「ロマンの足跡」を残しておきたいからだ。
それを転売するとか考えたこともない。
だったら、それなりの対価を払うのだとしても、「とことんカネに困りまくった今回の旅の記憶として」ビンテージのトルコ絨毯を買うのもいいかも・・・。
●好きなのを選べばいいような気がしてきた
社長が薦めてきた90万のものは、それより安いものと比べて模様が緻密。
絨毯に全く関心が無い僕でも「明らかにカッコイイ」と感じさせるパワーを感じる。
それよりもさらに緻密なもの(右上)が一番凄いと思ったが「150万」はさすがにやりすぎだ。
KOU「さっきのおススメのヤツにします」
・・・明らかに、僕ぐらいの身分のモノが旅先でフラリと買うシロモノじゃねえ。
ただ、そもそも「ロマン(*v.v)。。」自体がよくわからないものだし・・・まあ、いいか。
●間違いなく、僕の室内で一番効果な品物に・・・
今使ってるVAIO Zの新品定価53万(勿論、僕は中古で購入)の倍近いカーペット・・・。
『敷けない』。
壁にでもかけておくか?
しかし、日焼けが心配・・・
もしかすると、この秋に新発売されるというフルチタン製のBROMPTON、買える金額かも。
『・・・でも、新しい車体、そんな関心ないしな・・・』
「車体」や「カスタム」より「旅費」(つまりは旅の記憶)に投資するのが僕の自転車ライフ。
結局、ノスタルジーな世界を好む男なのだ。
昔から、そうだ。
●アルコールが抜けていないので、タクシーでホテルへ向かう~♪
絨毯は宅急便で自宅に送ってもらうことにして、僕の手元には予定どおり約6万のキャッシュが。
これで、安心して旅が出来る。
●ホテルヒストリックガラタ
ガラタ塔から徒歩10分少々のところにある、5年前にも泊まったホテル。
ホテル名以外、オーナーも、何も変わってない。
・・・いや、本当にそうなのかは、わからない。
窓から、優しく涼しい風が吹いてくる。
静かだ・・・。落ち着く・・・。
街もホテルも、5年間で何もかも変わっていないように見える。
だけど、実際はきっとめちゃくちゃ変わってるよね。僕にはわからないだけだ。
イスタンブール、やっぱりいい街だな。
本当に、住みたい。
もう少し眠って、酔いが醒めたら、ナイトポタに出かけよう。
●ちなみに、おしゃかになったRX100Ⅵ
絨毯屋旧店舗の前で落としてぶっ壊れたカメラは、電源は入るけれど、やはり撮影はもうムリみたい。
※なので、この記事以降の写真は全てXperia1Vで撮影したものとなる。
(つづく)
次回予告
酔いも醒め、涼しい夜風を感じながらナイトポタに出かけるKOU!
ガラタ橋あたりの夜景に目を奪われつつ、お食事処を探すが・・・
ガラタ橋あたりの夜景に目を奪われつつ、お食事処を探すが・・・
次回、トルコの章『港町イスタンブールの夜はふけゆく(*v.v)。。』篇
※不定期更新です
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