●2023年9月18日(月)8:23(レバノン現地時間)
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トラックも乗用車もありとあらゆるクルマが濁流の様に押し寄せてくるぞ。
下調べでは「Sea side road」と名付けられた郊外へ続く道の筈なのに逆方向の一方通行だ。

『これは一体

しかし、迂回路も見当たらないし、もはや道路を渡ることもできない。
とりあえずこのまま進むしかない。










●まいったな

?
押し寄せてくる車列の右側の狭すぎる路肩をおっかなびっくり進んでゆく。

すると・・・










●大きな木が生えて路肩が極端に狭くなる場所に・・・
road
何か大きな荷物が置かれ、通れる隙間が無くなった。


おいおい誰だよ、こんなとこに荷物置いたのは


すると、大荷物の陰から10歳に満たないくらいの男の子が現れた。

「そういうことか!」
思わずつぶやき、苦笑いしてしまう。
こちらが苦笑したのを見ると男の子も笑いかけてきて、手を出してきた。
「やられたよ」
わずかばかりのお金を渡すと男の子は大荷物をどかし、通り抜けられる様になった。









●「日々生きていく」ってすごいことだよなあ
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今回の旅では、僕自身やたらカネに困る体験をしていることもあり、なおさらそう思う。
彼に渡したお金も、これまでだったら何も考えず渡したろうけど、さっきは自分の手持ちを意識せざるを得なかった。









●しかし、先が思いやられるね

map

たかだか38kmの道でわずか5kmほど進むのにこの苦労。
先に進むほどに「途中で引き返す勇気」は弱くなるだろうし、これ、ほんとに無事にベイルートに戻れるのかしら












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10.(レバノン)
めざせ!古代都市ビブロス 後篇














※以降、ほぼ横向きの画像なので、Xperiaなど綺麗な画像表示のスマホをご利用の方は横向きでお愉しみください。




●少し道に迷った後、大通りに出られた
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クルマの川で溺れている感覚









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歩道が出てきて少し安心できたが、どうせすぐ無くなるんだろう。









●やっぱりね
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・・・てか、ナニコレ










●やばすぎる状況に

HELL

死ぬ。
文字通り死んでしまう。

しばらくの間は本当に地獄で、写真一枚撮影する余裕がなかった。









15分後・・・











●やれやれ
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途切れぬ車列を命がけで渡り、道路左側の外に見つけた海辺に逃げることが出来た。











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海の向こうにベイルートのまちが見える。
たった8km走るのにこの疲労度。
木曽路遭難極限ポタに勝るとも劣らぬ緊張度・恐怖。



『引き返すなら今だ』




その時、真っ黒なぬかるみを踏んでいるのとともに、形容しがたいとてつもない異臭に気づく。
『なにこれ!?』

周囲を見回すと通りを埋め尽くす車列の向こう側、バラックが立ち並ぶ区画があるのと、くたびれた表情のイスラム系の人々が立ち並んでいるのが見えた。
これはあのバラック群からの汚水?

もしかして、ここはパレスチナ難民キャンプ前?








●ルート近辺にキャンプ無いことは確認してたんだけどな
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難民キャンプは外務省海外安全情報のレベル3(渡航はやめてください)地域。
パレスチナの人々に何の偏見もないけれど、「不満がたまっているとわかっている群衆にノコノコと近づくことは全く得策でない」ことに僕も気づき始めている。
急いでこの場を離れよう。







●・・・ハッ
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バカヤロウ、先に進んでどうするんだ
ベイルートに引き返すべきだったろうが!









●9:00を過ぎるとクルマが減ってきた
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朝のラッシュが終わったのかしら。
この先、存在に気づいたもう一本海に近い通りに移動してみると・・・








●おおっ
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ようやく下調べ時にイメージしたSea side roadっぽい通りが!

ここはホテルから大体13kmほど離れたあたり。
ビブロスまでは残り25km、地中海沿いの快走路を愉しめるか!?















●ロマン探求ポタ(*v.v)。。中東世界テーマ曲
KONAMI Pop'n Music(2010) ♪The Sky of Sadness 












●道は一気に変わった
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素晴らしい










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●9:57
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中間点の「ジュニーエのまち」に到達
ここも何千年の歴史ありそうな古い町。

走ってるうちに香ばしいいい香りが漂ってくる。









●・・・
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中東のピザかな。
おいしそう

ここでブランチしていこう。
KOU「こんちはー

おっちゃん「いらっしゃい!どこまで行くのかね?

KOU「ちょっとビブロスまで

おっちゃん「へえ、そんなちっちゃい自転車で大したもんだな






●メニューは・・・
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KOU「・・・1文字も読めないな

おっちゃん「ハハ、スマホを使ってみたらどうかね?」


なるほど、Googleレンズか。
そういや、こういう時使ったことなかったな。どうなるんだろう?








●あっ
Screenshot

KOU「おお!一瞬で!」
※注:僕はアラビア語翻訳パックをDL済みなので、通信環境無しでも機能が使えた

おっちゃん「スマホが出来たから、私らも簡単なアラビック・イングリッシュだけで多くの外国人を相手できる様になったよ

KOU「へえ!」


でも、翻訳できても「カワル」とか「ラプネ」とかよくわからんね。

KOU「・・・一番、トラディショナルなヤツでおねがいします」








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調理の間、のんびりとドリンクを吸いながら待つ。
乾いた風が吹き抜けて気持ちいい~♪








●おばちゃん「おまちどうさま!」
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美味しそう







●めちゃくちゃ美味いっ><。!
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サックサクの生地にスパイスの効いたペーストが塗りつけられて焼き上げられたシンプルなピザ。
見た目ほど辛くなく、どういう訳かコクもある。

『昨日の朝食といい、レバノン料理美味いな!』








●大満足
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10:40、店ヲ後ニス(*v.v)。。。













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田舎の道路状況は30~40年前の日本の道と似たようなもの。
ところどころ舗装が割れてたり、いきなり歩道が切れたり、ガラスや石が転がっていたりするけど、慣れればどうということもない。








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気持ちいい









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TOKIOが無人島で作っていた橋の様な遺跡もあるぞ
特に説明書きもないが、ローマ時代のものとかなら2,000年前とかのものだろう。











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~♪









●・・・わざわざこの道をチャリで移動する日本人って何人いるんだろ?
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まあ、BROMPTONでポタる日本人は、おそらく僕が初めてだろう。








そして11:52、僕がちょっとだけ「訪ねてみたい」と思っていた遺構に到達。









●レバノンの鉄道線
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レバノン国内では第二次世界大戦中に海岸沿いの鉄道がつながった。それにより、イスタンブール(トルコ)~ベイルート(レバノン)~カイロ(エジプト)まで鉄路がつながった。

つまり、おパリ(おフランス)からカイロまで鉄道旅が可能だったのだ。
基本的に鉄道旅に関心の薄い僕であるが、国境を跨ぐ非高速鉄道の旅にはそこそこ関心がある。









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残念ながらレバノン国内の鉄道は90年代の内戦以降、廃線化。
この線路でカイロ~おパリ間を旅できた時代の「ロマン」を偲ぶのみ(*v.v)。。

ネクストステージのイスタンブールではハイダルパシャ駅(廃駅)に立ち寄ってロマンにひたろう(*v.v)。。






●往路3度目のピットストップ
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ビブロス直前のこの店では、10歳くらいの女の子と6歳くらいの男の子が店番。
『いつ頃、日本ではこういう光景を見なくなったんだろう』と思いつつ、1.5Lのペットを購入し、サドルバッグに詰める。






そして・・・








●12:10、古代都市ビブロスに到着
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走行距離はおよそ41km。
距離の割に時間かかった。







●ここがフェニキア人発祥の地とされる
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「アルファベット発祥の地」ともいわれる。
それはフェニキア文字が発祥した土地だからなのだが、フェニキア文字はラテン文字の他にアラビア文字、インド文字の原型でもあるそうなので、「そういった文字の発祥の地」でもあるのだろう。

当然、ユネスコの世界遺産に認定されている。








●それなりに観光地化されているようだが、群衆だらけというわけでもない
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こういう観光地はありがたいね
移動で結構時間も喰っちゃったし、早速探索してみよう。



(つづく)







次回

ようやく旅ポタらしくなってきて安堵するKOU!
同時に、計画時に設定していた「MISSION」も思い出した。
既にグダグダな旅になりつつあるが、後追いで軸をピシッと通すことはできるのか?
そして、さらに北行するか、ベイルートに引き返すかの判断やいかに?

次回:レバノンの章 『ビブロスの秘宝(ヒホウ)』篇


※不定期更新です。


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