●2023年9月17日(日)11:51(レバノン現地時間)
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宿代および当面のキャッシュの問題を解決(してもらい)、僕は安心して出立できることになった
すべてはカミサマ(おかみさん)のおかげだ。

カミサマ「ベイルートの自転車店まで60ドルで話はつけてるから、それ以上払う必要はないからね
KOU「なんとお礼を申し上げればよろしいやら
ありがとうありがとう」









●カミサマが手配してくれたタクシーでベイルートに向かう(*v.v)。。
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事前調査した時、あの看板の前で記念写真撮る予定だったのに全く果たせなかった。
慌ただしかった記憶しかないまま、昨日来た道をクルマで逆戻りだ。


さらば、スール(*v.v)。。








●『日本を出て4日目なのに、ほとんどポタできていない』
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今日だって朝から88km走ってベイルートに向かうどころかBROMPTONくんが走行不能!
看板の日陰で強い日差しから身を守っているムスリム女性に異国情緒を感じながらも思う。

『今回の旅はすでに大失敗なのでは?』









●自分の足で走る予定だった道を、快適なクルマから眺めるしかない・・・
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●なのに、あろうことかホッとしている自分がいる
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だって、こんな色々なゴミだらけの道走ったら、BROMPTONなどパンク必至だし








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バスなのか相乗りバンなのかよくわからない乗り物に乗るかどうかの選択を強いられているにきまってるし








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ゴチャゴチャしてる相乗りタクシー使うかどうかの葛藤にも迫られたろうし








●予定通り朝から走っていたら、今頃こんなゴミ山の前を通過していたろうし
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「なんでわざわざこんなトコ走ってるんだとイライラしながら走っていたことだろう。











●嗚呼、僕はすっかり変わっちまった
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道端に散見される多様な露天商、
クルマを呼び止めて物を売りつけたり「お恵み」をもらおうとする人たち、
多様なひなびた感じのストア、
無口な運転手がボソッとつぶやいた「キャンプス(難民キャンプ)」の街角・・・


以前なら好奇心むき出しでこの目に焼き付けようと思った世界が目の前にあるのに、心が動かない。
弾丸のようなスピードのクルマの中から眺めていることにホッとしている自分を感じるのみ。












●『旅先でこんな風に感じるなら、ぼちぼちこういう旅の趣味も潮時か
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昨日のお調子者ドライバー・アズールと真逆の寡黙なドライバーの運転で、クルマは首都・ベイルート市に突入。
















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07.(レバノン)
ベイルートの自転車店 篇














●ハイウェイなのに、路面店がたくさんあるし、路駐も多い
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ナゾだ。
そして、どこの国でもクルマに乗って20~30kmも走れば、大体「その町の雰囲気」は何となくつかめるものだと思うけれど、この国は道周辺の景色の変化が激しすぎて、今一つ「掴みどころ」がない。









●・・・と思っているうちに
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気が付くと、高層ビルだらけのダウンタウンを出て、建物がまばらなエリアに入っていた。

『港に出たのか?』







●3年前の「ベイルート港爆発事故」をご記憶の方も多いかもしれない
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(写真はwikipediaより)

違法取引で押収された化学物質の貯蔵管理がずさんで、港の倉庫が巨大爆発を起こした。爆心地の倉庫は消し飛んだ上に深さ50m弱のクレーターを生み出し、周辺の建造物は崩壊、停泊中の大型客船も転覆、少なくとも半径10km圏内の建物に物理的な損害を与えた。
被害は市域の1/3に及び、30万人が住居を失ったとも伝わる。

ここは爆心地から3km以上あるはずだが、車窓を見る限り、殆どの建物は吹っ飛んだ様に思われる。

運ちゃんは自転車店が見当たらず迷っている様子。近くで休んでいたおっさんたちに声をかけて、店の場所を確認したようだ。

運ちゃん「大丈夫、このカベの向こうが店だそうだ

運ちゃんがお札を何枚かおっさんに渡したのに気付いた。
この国にはちょっとしたお願いごとのお礼にチップを渡す習慣があるっぽい。






ともかく、これでなんとかBROMPTONくんの修理はできそうだホッ









●ベイルートの自転車店「Lebanon By Bike
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運ちゃん「こっちが入口だそうだ
やっぱ、アラビア語の表示だけだと僕には絶対にわからないな。








敷地の中に入ると・・・









●おおっ
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自転車店だ!








●ここではレンタサイクルをやっているらしい
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貸し出している自転車は「タンデム四輪車」とか、「タンデムトライク」など。
まあ、ポタ旅しに来ててアレだが、この国は今のところどう見ても(道路事情がカオス過ぎて)サイクリング向きでない。命の危険に晒されることなく安全にサイクリングするとしたら、自動車がほとんど通らないこの港エリアしかないだろうから、こういったのでのんびり走るのが楽しいのだろう。

ちなみに店の中には、日本でも売っている様なロードバイクやマウンテンバイクもあったし、パーツについても「ドン・キホーテの自転車コーナー」よりは豊富に取り揃えてある感じ。





ろくな説明もなく20~30分ほど待たされる。大体、中東って時間におおらかだよ。
僕も、こっちの人になった気分で、おおらかにのんびり待っていると、スタッフがやってきた。

店長「ハロー。ずいぶん遠くの国から自転車修理にやって来たのはキミか!」








●彼はペダルが抜かれたクランクの穴を調べた
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店長「なるほどなるほど問題ない、対応できるよ
ただ、電話で言ったとおり、その自転車専用のペダルではないけど、いいかな?」

KOU「走れるようになればなんでもいいよ!早く修理してくれ!」

店長「OK、ちょっと待ってて。今、この自転車にピッタリのペダルを持ってくるから」




ピッタリのペダル?
カッコいいヤツってことか?
なんか、期待できそうだ。





店長「おまたせ! これでどう?」

KOU「・・・イメージしてたのとちょっと違うが、OKだ、やってくれ!」










BROMPTONくんリペアード in ベイルート 爆誕!!
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「サイズ的にぴったり」のペダルがはまって修理完了!
海外修理は2019年のBROMPTONくん リペアード in リスボン以来だ。

店長「大丈夫かどうか、ちょっとその辺を走り回ってくれ・・・・・・・よし、大丈夫だな。
折り畳みの時は、このミニレンチでネジを回してペダルを外せばいい

正直、僕の好みには全く合わないが、「課題を克服するBROMPTONくんとの新たな戦歴」が積み重なった気分は悪くない。
腐っていた心に、少し光が差し込んだ感覚がある。






●ありがとうありがとう
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自転車店のスタッフたちに大きく手を振って、自転車店を後にする。
旅の計画はガタガタだが、これもまた経験だ。

そして、明日は旅5日目にして、ようやくガッツリポタできる

素直に、うれしい!








ちなみに店の場所はこちらだった。













●ロマン探求ポタ(*v.v)。。中東世界テーマ曲
KONAMI Pop'n Music(2010) ♪The Sky of Sadness 













●再びタクシーに乗り込みダウンタウンのホテルに向かう
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運ちゃん「ちゃんと直ってよかったな!」

KOU「ああ!」









●ベイルート市街のホテルにチェックイン!
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このホテルはカードが普通に使えてひと安心










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なかなか快適な部屋。バストイレも広くていい感じ









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きれいすぎない、ガサツな街の雰囲気も僕好み。
時差6時間で夕刻の大名古屋から動画を乞われて撮影して送ったりする。
普段は全く使わないホテルフリーWi-Fiも、AU定額圏外の国ではとてもありがたい。







●さて、とりあえずベイルートをポタろう
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・・・と、ホテルから出てすぐ、9~10歳くらいの物乞いの女の子に絡まれて、少しのお金を渡す。
「お金を渡す代わりに一緒に記念撮影してよ」とお願いしたら快くOKだったので、珍しく自撮りとかしたりする。
この後、物乞い断れない時は、せめてその様に「旅の思い出づくり」に協力してもらおうと決める。







●ベイルートのポタは、予想通りヤバいな
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非常に危ない。









●交通量の少ない道の歩道を進むことにしよう
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●そうしつつ、海のほうへと下っていく
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ベイルートもまた、坂の多い町のようだ










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●海岸通りに出た
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ようやく開けた場所に出てきた。まあ、中東世界なのでそれでも緊張は解けないのだけど。











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少しずつ、気分がアガッてくる









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苦労したり疲れたりするけど、やっぱ、旅っていいなあ










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観覧車はやたら回転が速い。多分、日本の観覧車の4~5倍くらいの速度。








●ちなみに、この国の信号機はすべて消灯しているようだ
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事前調べの時に判っていたので驚きもないが、実際に見るとなかなかシュールな光景。
交通状況は、いうまでもなくカオス。









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道路の中央部に、普通に駐車していたりする。







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・・・まあ、安心して走れる町では絶対にない。
でも、数時間ほど走っていると、それでも慣れてはくる(怖いけど)。









●飲み物とおつまみを買ってホテルに戻ろう
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おビール、ソフトドリンク、おつまみなどをそれなりに買った後でお店の人にお願いして店内を撮影させてもらった。

昔、日本にもたくさんあった雑貨店だね







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僕はやっぱ、コンビニとかよりこういう個人商店のほうが好きだったなあ。











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~♪












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ホテルに戻ってきた。
当然、BROMPTONくんは安全な部屋の中に連れていく。










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だいぶ気分転換ができた気がする。
少し部屋で飲み、くつろいで、晩ごはんに出るとしよう♪



(つづく)



次回

そこそこいい感じの部屋でアルコールと乾きものをつまみご機嫌のKOU!
やがてベイルートのまちは夕闇に包まれ、夕餉の時間を迎える。
さて、果たして僕はおいしい晩ごはんを食べに町に繰り出すことができるのか?


次回:レバノンの章 『港町ベイルートの夜はふけゆく』 篇


※不定期更新です。


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