●2023年9月16日(土)18:40(レバノン現地時間)
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「ぶ、BROMPTON号!?」
僕は、力なくへたりこんだ愛馬のとなりにしゃがみこみ、車体を調べていた。


気になる箇所が1か所。
そこに手をかけてグッグっと力を込めてみると、なんとその部分がボコッと取れた。


うそだろ!?







●破損した部分は「左ペダル」だった
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これって、折れるのか?

いや、いつかどこかで折れることはあるのだろう。
でも、何故今、ここ(レバノン)でなんだ???







放心
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『なんなんだ、一体』

どうしようもなくみじめな気持ち。
約2年間「ほんと辛いなあ」と思い生きてきて、命の洗濯のつもりでようやく出てきた海外旅。

その海外旅も、久々ゆえか複雑なことが多くて神経すり減らしてきた。それが、宿のおかみさんのご厚意でなんとか気力を取り戻してポタし始めた矢先だった。
別にイキって走りまわるわけでもないけれど、まあまあ高級な折畳自転車を手間暇かけてわざわざ抱えて渡航して気分転換する趣味自体、「そんなしなくてもいいことしてるから」と周りの人に嘲笑されている様な気すらしてくる。
マジで赤っ恥。

それに、まだ、旅の実質1日目
なのに、これ、旅の中で直せるのだろうか?

本当に、どうしようもなく惨めな気持ちだ










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05.(レバノン)
【絶望】港町スールの夜はふけゆく 篇
















●トボトボと宿に戻り、改めて確認
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左ペダルのネジ(?)が完全に破断している。
乗っている間にペダルがグラグラしてきた様に感じて、降りてペダルを握って力を込めたらこうなったのだった。

過去、こういう出来事を経験したことがなかったので驚いたが、考えてみると原因は明らかだ。








●ちょうど乗り始めて10年経ったBROMPTONくん

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今回の旅は、僕の「命の洗濯」と、BROMPTONくんの10years anniversaryだったわけだが、10年間走り回っているということはBROMPTONくんにも相応のダメージが蓄積しているという事でもある。
つまり、これは金属疲労による破断




実は、BROMPTONくんのメンテは前々から気になってはいたこと。
ブロンプトン旅の第一人者である俺さんの様な定期的オーバーホールなどしてきて無いのだ。
さすがに近年は気になって自転車屋に状態を確認してもらっていたりはしたのだけれど「特に異常は無いですネ!」とのことで、先送りにし続けてきたツケが出たと言えよう。








●ペダルに、なんとなく違和感は感じていたのだ
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カリカリと何かが引っかかっているようなスッキリしない感じが。
ベアリングのグリス切れかと思っていたのだが、精密検査していれば劣化に気づいた様な気がする。
しかし、もう、どうしようもない。
少なくとも、明日予定していたスール→ベイルートへの88km海岸線自走旅は完全アウトだ。








・・・っていうか。
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BROMPTONのペダルなんて、レバノン国内で買えるの?対応可能なお店、ある?
万が一あったとして、カネどうするんだ?カード使えるの?
いや、そもそもその前に、ベイルートへの明日の移動、どうするの?90km弱を「徒歩」?
宿のおかみさん「なんとかする」と言ってくれたけど、タクシー代の現金もないお!










●があっ
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実弾(キャッシュ)が無い以上、何を考えたってムダ。
短時間でその結論にたどり着いた僕は、晩ごはんを食べるべく外に出た。











●ロマン探求ポタ(*v.v)。。中東世界テーマ曲
KONAMI Pop'n Music(2010) ♪The Sky of Sadness 


















●19:19、裏口から宿の外に出る
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あたりは夜の帳にすっぽりと包まれていた。
お釣りを1,200円分誤魔化してきた商店の前を通り、暗い路地の方へ入っていく









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歩いて3分ほどで港に出た











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このあたりのバーやレストランに入ればいいのだが、騒々しい地元客が多い店には、なかなか入りづらいもの










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あーあ・・・











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それでも、次第に、歩き回るのが楽しくなってくる











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まだ1件訪問していない古代遺跡があるんだが・・・









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さすがに、この時間に片道6km歩いて人気の少ないスポットに行く気にはならない。
旧市街の散歩にとどめておこう・・・











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通りに面した窓からは、一家団欒の音や、テレビの音が聞こえてくる。









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旅先でのこういう時間は大好きだ









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照明で照らされる聖人のオブジェ。











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信仰心の厚い地域なんだね









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海岸に出た。
ビーチからはラジカセの音。
レバノンの家族が、週末の夜をのんびり楽しんでいるかんじ。









●・・・なかなか、入りやすい食堂が見つからない
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結局、テキトーな雑貨屋に入店した後・・・









●旅本番1日目の晩ごはん
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いつものパターン

1日目はどうしても疲労・緊張がたまっていて、なかなか外食に踏み出せん!
せっかくおかみさんに「今日は食事とお酒を愉しんで」と助言されたのに!

とにかく疲れた。
永遠の眠りにつきたい。



(つづく)



次回

なにもかもうまくいかない人生と旅。
もう、ずっと眠っていたい。
しかし、それでも朝はやってくる。

僕はどうやって宿代払って、どうやってベイルートに行けばいいのか?


次回:レバノンの章 『挽回』 篇



※不定期更新です。


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