●2018年9月21日15:30(ルーマニア現地時間)
KOU:「おおっ!」
KOU:「あっ!」
僕はトランシルヴァニアの城塞都市『シギショアラ』に潜入しようとしていた
まずは、城塞都市の城壁とほぼ一体化している市街地を注意深く偵察。
すると、あやしい階段道を発見・・・
●あっ!
城塞の奥に時計塔!これはまさに・・・!
●時計塔(KONAMI悪魔城伝説1989)…
中で巨大な歯車の上を飛び跳ねたりしないと先に進めない場所だ。
想像するだけでも、うーん、おそろしい。
●とりあえず、城塞の中に入ろう
12世紀、ハンガリー国王が国土の外周防禦の為にドイツ人の商人や職人が派遣されて開発されたという。
複雑に折れ曲がる路地は、なかなかの城塞っぷり。狙撃されないように、慎重に進むと・・・
●おおっ
シギショアラのシンボルともいえる時計塔の下方に出た。塔は城塞の一部となっているようだ。
ロマン探求ポタ2018の終盤にふさわしい、危険なステージといえよう(*v.v)。。
㉙
(ルーマニア) 城塞都市シギショアラ 潜入篇
●ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。後半テーマ曲 KONAMI 悪魔城伝説(1989)♪Aquarius
●狭い坂道をのぼり続け、古びたクロックタワーの下をくぐってのぼり続けてくると・・・
●城塞の中にこじんまりとしたシギショアラの町が広がっていた
・・・おや?
●少し先にあるこの建物は・・・
●あっ!
壁面に人名らしきものと生没年らしき数字が掛かれた銘板がハマっているぞ。
間違いない、ここだ・・・!
●ドラキュラの生家
ワラキア公 ブラド3世 1431-1476
彼の時代、トランシルヴァニア、モルダヴィア、ワラキアなどの周辺情勢は混沌としていた。
その中で、彼は敵国民は勿論、自国民においても『問題』と感じた者を串刺し刑で処刑していた。
串刺しは、もともとキリスト教やイスラム教では重罪人に対する一般的な処刑方法だったそうだが、
彼の場合、それを貴族にも適用した事が世間を震撼させ、『串刺し公』と呼ばれる様になって恐れられた。
また、酒宴に乗じての有力者の皆殺しなどの逸話をもとに、やがて吸血鬼ドラキュラのモデルになったという。
もっとも、現代においては強大なオスマントルコの侵略に対抗する為に地域での中央集権化を進め、
小国・ワラキアを以てオスマン帝国から国土を防衛し続けた事が評価され、英雄とみなされているそうだ。
●21世紀の現代においては、彼の生家はレストランになっている
カーサ ブラド ドラクル。
今日の夕ご飯はここで食べよう
だが、その前に宿へチェックインだ。
●通りを左折すると・・・
小さな町が続き、その先に小高い山、そして教会の尖塔が見えた。
宿はこの通りの左側の並びの中にあるはず。。。
●建物の入り口の戸が面白い
・・・
・・・
こういった建物は、昔、この町に住んでいた職人たちのお宅だと思う。
ほとんどのお宅には、フツーのドアの他に、写真の様なトンネル入口状の木戸があるのに気づく。
これ、日本の古い建物でもたまに見かける牛馬の出入りに使っていた厩(うまや)用の扉じゃないかしら。
XPERIAのナビを見ると、予約したペンションも、こういったドアの先らしい。
●・・・ここのようだ
なるほど、通り側の建物をくぐり、奥に抜けられる様になっているようだ。
しかし、予約したペンションのものと思しき奥の木戸は、約束の時間にも関わらず、カギで固く閉ざされていた。
「・・・またもすんなりいかないのか」
海外のペンションは、約束の時間にカギを受け取りにいく必要があるという。
僕は、いざという時、外国語での電話でのやりとりが自信ないのでこれまで避けていた。
ここは、事前のメールのやりとりで「オーナーがこの時間帯にいる」という事を確認したから予約したのにな…。
なかなかオーナーが戻ってくる様子がなかったので、仕方なく電話かけようとしていたら、
通りに面した建物(雑貨屋)のオーナーらしき女性が気づいて声をかけてきてくれたので、事情を話す。
彼女はスグに自分のケータイで電話をかけて、ルーマニア語(多分)で短くやりとりしていた。
女性:「トラブルがあって、戻るまであと20分くらいかかるって。街の中でも見て回っていてくれって事よ」
KOU:「じゃあ、ここで待たせてもらってもいいですか?」
女性:「勿論よ。まったく、ちゃんと連絡してあげればいいのにねえ」
・・・しばらく待っていると、40歳くらいと思しきドイツ系っぽい男が走ってやってきた。
ミハイと名付けよう。
ミハイ:「やあ、待たせて申し訳ない!ようこそシギショアラへ」
●扉を開けて進むと、中庭の様な感じになっていた
ミハイ:「なかなかイカしてるだろ。昔の建物を、そのまま宿に使っているんだ」
KOU:「ここは厩舎だったの?」
ミハイ:「馬もいたし、作業場でもあった。時代によって使われ方は異なるんだ・・・
おっと、出入りする時、扉の開け閉めにはちゃんと気を付けてくれ」
KOU:「?」
●ミハイ:「現代においては、鳥がいるんだ」
ミハイ:「他にもいるから、街歩きに飽きたようなら、探してみてくれ」
●ミハイ:「そして、きみの部屋はここだ」
KOU:「おおっ!」
ミハイ:「とにかく、出かける時のドアの開け閉めだけ気を付けてもらえれば、
あとは好きに使ってもらって構わないよ。じゃあ、よい夜を過ごしてくれ」
●なるほどなるほど・・・
実はペンションのルールがめんどくさいと思って、最初は駅近くのホテルで予約をしていたのだ。
しかし、その後で『世界遺産内(本記事の冒頭部分からの歴史的地区が該当)に泊まれる』という事を知り、
こういったペンションの中で、僕のタイムスケジュールに対応可能な宿(ここしかなかった)を選んだ経緯がある。
その価値は十分にあった様に感じる。
●・・・正直、何世紀も前のものとはとても思えない
木材が新しすぎる。せいぜい、ここ数十年のものじゃないだろうか。
しかし、僕はこういった海外の建物の維持・運用の事については全く分からない。
リノベーションしながら使うという文化もあるのかも知れないな。
清潔感もあり、なかなかかわいらしい。
ペリエや果物も添えられていて、悪くない感じ。
宿泊料金は5,000円弱だったから、ルーマニアの価格水準としてはさておき、
日本人旅行客としては破格の安さの部類に入るだろう。
よし、これでこの要塞都市での行動拠点は構築できた。
山上教会、ドラキュラレストラン、時計塔など、攻略しなければいけない場所がいくつかある。
●早速、山上教会に向かう
山上教会への入口は、僕のペンション(左の木戸の中)の外側にある雑貨屋のすぐ前にある、
木製の屋根が付いた長い階段の上にある。
『非常に古い』と説明される石造りの階段。
風雪があってもこの先にある山上教会に参拝者が通える様に設置されたという。
山上教会が出来たのは14世紀というので、その頃から、更新されながら使われているのだろう。
●階段を出て山の上の方に進むと・・・
『明治 アポロチョコレートみたいな教会だな・・・』
実際、ロケットみたいに空に飛んでいきそうなカタチだ。
角度を変えると、当然、普通のちゃんとした教会になってくる。
ふむふむ・・・
なるほどなるほど
ここが『ベルグ教会』か。
要塞都市の頂上に位置するにふさわしい、シュッとした様相。
シビウの大聖堂と違って、戦闘を想定した造りの様に思える。
●教会の外壁も、いい感じ
特になにも説明はなかったが、教会より、こちらの方が往時の雰囲気を伝えてくれる様な気がした。
●入口の近くのプレートに目をやる
ルーマニア語とドイツ語かしら。
全く読めない。
●仕方ない、突入しよう
そう思った時、声をかけられた。
?:「待ちなされ」
KOU:「!?」
■ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。INDEX
Ⅱ.トルコの章
Ⅲ.ハンガリーの章
Ⅳ.ルーマニアの章
終章
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