●地中海海岸線のポタは、このあたりでいったん終了になる
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この先、海沿いの道は何故か途絶していて、一旦、内陸側に進路を変える必要がある。

イスラエルの土地利用を見ると、極端に開発が進んでいる場所の隣がまったく手つかずの荒地だったりして、

資本主義の国としてちょっと不自然。

『もしかすると、国土全体が国有地だったりするのかな?』・・・などと思いつつ、東へ進路をとる。













●閑静な住宅街に入り、『イスラエル版飛び出し坊や』におどろかされる

至近距離に接近するまで、パネルとは気づかなかった。

この女の子は、この先の各地でも色々な格好のバージョンで住宅地の交差点などに登場する。











●振り返ると、さきほど通ってきたリゾート都市・ネタニヤが見えた
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15kmに渡って続いた美しい海岸線は見事だったが、僕がこの街にもう一度来る事は無いだろう。

さらば(*v.v)。。









●そして、古代都市・カイサリアを目指して北進する僕とBROMPTONくんを・・・
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その砂漠は、静かに飲み込もうとしていた。












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(イスラエル)古代都市目指して砂漠をポタる









●やばいな、舗装路じゃなくなったぞ
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イスラエルで楽しみにしていた事のひとつに、先ほどの様な『砂漠の道を走りたい』はあったけれど、

『砂漠に突っ込みたい』なんて思っていなかった

その僕の視線の先に・・・








●鳥取砂丘で見かけた事があるアトラクションが・・・
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・・・つまり、少なくとも鳥取砂丘と同等程度に、ラクダが適した地表だということか・・・。

鳥取砂丘の地表を見て、BROMPTONで突っ込もうとするバカがいるかな?

いる筈ないよな










●自動車の走行跡があるので、一見、自転車でもいけるかと思ったりするけれど・・・
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ダメだ、前輪がきめこまかい砂にとられてハマってしまうぞ。

多分、超人・俺さんでも、ここは走れまい。

まして、僕などは3cmも進めない














●しかし、この砂漠の迂回路は見当たらない
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仕方ない、砂漠にBROMPTONで突っ込むバカになるか・・・










●『砂漠』に踏み込んですぐのところに、不思議なバスが停まっていた
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バスを土台にして、何か塔の様なものが上に伸びているような?

誰かここで暮らしているのかしら?










●バアアアアアアアーン
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JOJO第4部の、『鉄塔に住んでいた人』を思い出す。

たしか、これって鉄塔に自分の身代わりになる誰かを入れないと、中にいる人は出られないんだっけ。










●この旅の同行者に『珍スポ旅』のYがいたら、強いキョーミを持ちそうだが・・・
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変なのがいたら危ないから、近づかせられないだろうか・・・












●無論、僕も怖いので、なるべく離れて通り過ぎる
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そして、その先には日差しが照り付ける砂の道しかなくなったアツイー

さっきの商店で購入した2本目のボトルも飲みきってしまい、水分補給はもうできない。












●一応、進路にはビルが見えてはいるのだけれど、なかなか近づかない
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まだ5km以上・・・いや、下手すると7~8km以上離れているかも知れない。

だが、今更戻るのも大変で、進むしかないのならば、ナビ見てキョリを知る事の方が怖い。

『これは・・・ヤバい

マジで、ここで熱中症で斃れるかも知れん。









●しかし・・・ここで、目の前を横切る舗装路発見
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「助かった!」

進路と全然違う方向に向かっているが、もはやこの砂漠からの脱出が最優先

この道で内陸側に一旦逃げて、何かしらの給水ポイントまでたどり着かないと、命が危ない











●・・・あれ?
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なにぃ、蜃気楼だと!?

砂漠で斃れた旅人たちの絶望を垣間見た気がした。

『まさか、こんなマンガみたいな展開で死ねっていうのか?』

・・・急に呼吸が苦しくなり、腹部が猛烈に痛み出し、たまたま目の前にあった日陰に慌てて逃げ込む。

え?ナニコレ、もしかしてマジでヤバい









●正体不明の激痛はなかなか収まらないが、日陰で立ち止まっていても体力は消耗してしまう
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とりあえず、MASTERキートンがやったみたく、小石を飴玉替わりに口に入れて、唾液でノドを潤す

幾分、気力が回復し、冷静さを取り戻す。

腹部の激痛と呼吸困難は、多分、砂地でBROMPTONを押し続けて、カラダに変な負荷をかけ続けた結果、

腹部の筋肉が痙攣して横隔膜や肺の機能を阻害したように思える。

ふくらはぎの筋肉が攣った時の様に、ゆっくりと筋をのばすようにするのがよいだろうか・・・









●10分くらいで激痛は徐々に引いて呼吸もラクになった
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それでも、この砂漠を道なりに抜けるにはまだ2kmはありそうで、ヨボヨボとキョリを縮めていく・・・。











●そして、砂漠をついに抜けるとともに、街に入った
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助かった・・・









●クラクラしながら街を走り、ようやくストアを見つける
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もう、店を選んでる余裕などない

KOU:「ごめんくださ~い











●店に入って購入したペットボトル2本を一瞬で飲んで、生き返った
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この店の主人はムスリムと思しき初老の男で、2本のボトルを一気に飲み干した僕に声をかけてきた。

店の主:「あんた日本人か?トーキョーから来たのか?珍しいな、こんなところに日本人とは

    そんなにヨボヨボで、一体、何があった?」

KOU:「・・・砂漠を自前の自転車で越えてきたもんで

店の主:「冗談だろ?何時間かかった?」

KOU:「多分、3時間ちかく・・・」

その自分の言葉で、たった10km程度のキョリを進むのに通常の6倍以上の時間を浪費してしまった事に気づく。

あちゃあ、これはもう、テルアビブで自転車のライトを買う時間も無いかも知れない










●店の主:「まあ、そこの椅子を使っていいから、ゆっくりしていくといい」
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主は店の前にやってきた近所の人と世間話をしに出ていった。

ここはいわゆる食料品店だが、棚には経典らしき本が並び、壁には宗教指導者のポスターが張ってある。

そういえば『明らかなるイスラム教徒』と言葉を交わしたのは、これが初めてかも知れない。

好奇心がうずくが、信仰関連の話を伺うに必要な英語も礼儀も僕は知らない。「触らぬ神に、何とやら」だろう。

・・・と、空腹でおなかが鳴り、

おじさんがさっき鉄板でハンバーガーっぽいものを作ってたのを思い出して、注文する事にした。

店の主:「おお、食べてくかい

おじさんは、パティの焼き加減や何の野菜をどれだけ入れるかとか色々訊きながら、ちゃんと作ってくれた。









●店の主:「はい、どうぞ
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KOU:「コーラゼロも、もう一本ください

そして、ふくろを開けると・・・









●とても美味しそう
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KOU:「そういえば、これ、この国で最初の食事ですよ

では、いただきます(-人-)

ガブッ!










●ば、抜群に美味しい
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おじさんが鉄板で丁寧に焼き上げてくれた牛肉のパティは肉の旨味がギュッと凝縮されていて、

アクセントとなるシャッキシャキで瑞々しいお野菜とともに、

適度な歯ごたえがあってそれ自体美味しいバンズでサンドされている

なんだろう、日本で食べるハンバーガーって、どこかオリジナル的な味つけに自信がなく、

パターン化されたソースやマヨでお茶を濁している感があるが、

このハンバーガーはそういったものに頼らずに丁寧に仕上げられていて、作り手の自信・自負が感じられる。










●大変おいしゅうございました(*v.v)。。
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合法かどうかは判らないが、このお店でUSドルからシュケルへの両替を相談したところ、

店主は腕組みして「うーん」と唸ったあと、「・・・まあ、いいか」と、受けてくれた。

渡航先中、最も物価高の国である事を考慮して,、300ドル分を両替。

店主はその日のレートと計算機を示して、「手数料とかは不要だから」といって金額分のシュケルをくれた。

よっしゃ。当面のキャッシュの不安も解決して、出発だ









●ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。前半テーマ曲 KONAMI Pop'n Music(2010) ♪The Sky of Sadness 







●体力が回復して、ぐんぐん進める
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行く手にある大きな発電所の周囲を走れば、立ち寄り地・古代都市カイサリア・マリティマに到着だ!










●そこでまた、未舗装の砂地路『イスラエル・トレイルコース』が僕の前に立ちふさがる
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なにくそ、負けない・・・

およそ2kmの悪路を押し歩きし、両足を攣るが、何とか脱出!









●道は徐々に海岸線に戻ってゆく
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もうすぐだ・・・!直線距離で、あとたった5km!

しかし、ナビで示されるその直線コースが・・・








●またしても、企業の私有地だったりする
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イスラエルのGoogle map担当者は、絶対、わざとやってると思う









●やがて・・・
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おお

ついに見えてきたぞ!









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紀元前25年からヘロデ大王がこの地に建設した海洋都市の遺跡にして、

2000年以上経た現代でも、現役の劇場としても機能している・・・







●カイサリア・マリティマ
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思ったよりだいぶ到着が遅れてしまったが、ここは立ち寄って見ていこう。

BROMPTONくん、ちょっと待っててね







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■ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。INDEX
序章

Ⅰ.イスラエルの章

Ⅱ.トルコの章

Ⅲ.ハンガリーの章

Ⅳ.ルーマニアの章

終章