【琉球王国】

「西へ行くポタ」(*v.v)。。2021

(後篇)※完結








●両親が乗る仙台発の飛行機は早着予定らしい
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お互い若い頃ならともかく、僕らくらいの年齢になった親子が2年近くも逢えないとなれば、その間に誰かが亡くなるのはままあるハズ。

コロナ禍でそんな離別を経験した家族も多かったろう。

僕ら家族が約1年10か月ぶりに無事再会できたのは、幸運だった。

自宅から6時間30分かけてやってきた2人。

父:「まさか沖縄で逢う事になるとは

母:「元気そうでなにより

KOU:「いやあ、ほんと久しぶり

空港のカフェテラスで少し休憩した後、荷物は僕が持ってホテルに向かい、チェックイン。








●以降、4日間にわたってのんびり過ごしてもらうこととする
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ここは7年前にBROMPTONくんに乗ってウサギの様に駆け上がった泊大橋

そこを「カメの歩み」でノタノタと散歩する~♪

2人とも昔に比べるとだいぶ歩きはゆっくりになったが、幸いなことに足腰は丈夫











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2人は口をそろえて「沖縄に来た事なかった」という。

個人的に「すぐ飛べる場所」の沖縄は、両親には「すごく遠い場所」に感じるらしい。

そういえば、2人で遠くに出かけた話も3年ほど前の「台湾旅行」しか聞かない。

現代みたいに様々な育児手当も勤務体制も未整備の時代に3人の子どもを育て上げた2人。

育てあげた後にもしばらく負担が残るくらい、大変な事だったのだろう。










●「今」を愉しんでもらう事しかできない(*v.v)。。
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●人懐っこい店員くんが呼び込みをするお店で晩ごはんすることに
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●人参しりしり(小分けしたもの)
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初めて見る料理。

お皿はあったかく、酢の物の様なにおいは無い。

店員くん:「沖縄の定番料理ですが『ただの前菜』ですよ!」

なるほど、妙な名前に期待したが、ただの前菜っぽいし大したことなさそうだ

まあ、とりあえずいただきますか・・・











パク・・・

モグモグ(*v.v)。。











3人:「お、美味しい





騒然となる食卓。

父:「人参なのに・・・このコクはどうだ!?」

濃厚な旨味がお口に広がり、あとからくる人参の甘味の後味も、なんとも心地よい。

店員くん:「え?マジで???

ウチとかだと母ちゃんが毎日出してきて『またしりしりかよ!』って感じですが

おいおい、とんでもなく幸せな家庭じゃないか。

コレなら毎日食べれるよ!

おかわり!!







●クーブイリチ
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店員くん:「しりしりと違ってクーブイリチはなかなか食べられないんですよ!」

昆布と豚肉を使った料理。

何処の家でもお正月や誕生日など『めでたい日』にしか出てこない料理だという。

店員くん:「コレが出てくると『やった、今日クーブイリチ!?』みたいにアガります!」







3人:「美味しい



この料理も旨味が詰まった感じで、とてもいい。

いやあ、沖縄の料理はやっぱり美味しいね

それと、久々に両親と食べる食事は、やっぱりいいもんだ。









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●おや?
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KOU:「ちび太のおでん!!」

母:「小籠包も食べたいわね








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・・・どこの町でもそうだが、町の様子を眺めながら食べる晩ごはんはいいと思う










こうして1日目は無事に終わったが、翌日・・・











台風接近
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KOU:「高速船クィーン座間味全便欠航!」

カウンターのおねえさん:「座間味島とはフェリーで往復できない事もないですが、到着してスグ出発に変更となっていまして、そもそも上陸出来ない可能性も

KOU:「うええ








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油彩が趣味の母は、ひときわ「キレイな色の海」を期待していて離島に渡りたがっている。

渡れないこともないのだが、上陸できずに海も濁っているなら「渡っても仕方ない」。







●座間味、連れていきたかったが・・・
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「・・・まあ、こういうこともあるさ

離島を諦め、明日使う予定だったレンタカーをスグ借りて、なるべく晴れてるところに出かける。






●陸上の天気は割とよかった
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●クルマはちょっとユニークなのを予約していた
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電動のキャンバストップが格納されていて、10秒程度で開閉できるMINIコンバーチブル。

いつも乗ってるBROMPTON同様に環境を最大限に愉しめるクルマを選んだつもり。

後部席の狭さはちょっと気になっていたのだが、小柄な父は「余裕だ!」とのこと。

数年前に免許を返納し、もう運転する事の無い父を運転席に座らせて記念撮影








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2人とも楽しんでくれているようでなにより








●残波岬灯台
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高さ31mの灯台だ。









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僕の後から駆けあがってきた小さな女の子が、息ひとつ切らさず僕の脇をすり抜けはしゃいでる。

今の僕はラクに登れるが、それでもちょっとは息が切れる。

両親の如く、ここに登れなくなる日が来るのも、それほど遠くないだろう。









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父:「旅はいいねえ

母:「旅先のお酒は本当においしい

KOU:「その言葉、なによりです

僕は運転手なのでお酒はお預けだが、2人が旅を愉しんでくれればなんでもいい










●3日目
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超大型の台風18号は、僕らのいる那覇を掠め、大陸側に逸れていった

タクシーの運ちゃん曰く、温暖化の影響で沖縄本島を直撃する台風が激減しているらしい。







●定番の美ら海水族館にやってきた
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今はどうか判らないけれど、僕が子供の頃、岩手に水族館は無かったと思う。








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両親に連れていってもらった唯一の水族館は、隣県・秋田の「男鹿水族館」だ。

両親と3人の子どもで小型乗用車に乗って出かけていたんだっけ。

もう、35年以上前だな。

たかだか隣県へのオデカケとは言えど、とても楽しかった。

高速道路網は勿論、幹線道路の道幅も今ほど拡張されておらず、大型チェーン出店も一般家屋の均質化も限定的で、その土地ならではの光景がそこかしこにまだまだあふれていた時代だったからだと思う。












●本島の北端をぐるっと一周する
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『やんばるの森周辺・・・こんなにアップダウンが激しいのか

俺さんはここを BROMPTONで駆け抜けていったハズ。

果たして僕はここを走り抜けられるだろうか??










●かなり気になるヤンバルクイナの看板
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特別天然記念物の鳥がその辺にいないか3人で凝視しながら道を進む。









●あっ
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・・・いや、イノシシだな。

でも、やけにちっちゃくない???

後で調べたら「リュウキュウイノシシ」らしい(かわいい♪)










●そんな感じで見聞を広めた4日間


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最終日、ホテルを出る際、両親に問う。

KOU:「搭乗手続きまで4時間くらいあるけど、なんか行きたい様なとこある?」

母:「KOUちゃん。

 私ら(父母ら)の世代はね、やっぱり一生に一度、平和祈念資料館に行かないとダメと思うのよ

なるほど・・・。

それなら、タクシーで平和祈念資料館とひめゆりの塔を巡り、那覇空港に向かうことにしよう。








●平和祈念資料館は魂をゆさぶられた
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施設に着くなり大雨が降ってきて、両親はスグに建物の中に入ってしまった。

僕は何となく外の芝生の丘が気になって、傘をさして歩きだした。

そこは、美しい海を眺められる高台の上。

たくさんの黒い石板が海に向かって扇状に立っているふしぎな光景だった。

それぞれの石板への日差しを防ぐかの様に植えられている樹木の配置も印象的。

『あの石板、何だ?』

近づいてみると、驚くほど多くの人名が刻まれているものだと判った。

びっくりしてあたりを見回すと、同じ石板が何十枚も何百枚も、視界に入らないほど並んでいた。







●その先まで進んで振り返ってみる
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「平和の礎(いしじ)」というらしい。

沖縄戦で戦没した日本人・外人の名前が刻まれた石板の森。

その圧倒的な枚数に目を丸くするワケなのだが、そこに刻名された方の数、24万柱

「なんとまあ・・・」

見ず知らずの方のお名前を見るだけで、涙が出てくる場所だった。









●戦没者たちが眺めている海を眺める
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僕は戦争や軍事に関心が薄い。

ただ、祖父母の足跡を辿るなどで、たまたま国内外の戦争遺構に出かける機会は何度かあった。

今回は沖縄でこういう施設を見たけれど、何処の国にもこういう施設はあるものだ。

すぐ目の前の海を隔てた大陸の隣国にも、地球の裏側の半島にある小国にも。

世界中の一般的な市民が思うこと、大差ないだろう。

ただただ、本当に、平和に感謝(*v.v)。。

例えば、2018年に旅したテルアビブ、2021年にミサイルが着弾して犠牲者が出たりしている。

本当、危ない場所は現代でも危ないんだなあと思い知らされる。

「でも、草の根的な行動は出来るんだよなあ」

外交官のみなさんの様な事は出来んけど、僕だって世界中に出かけて、色々な地域の人と仲良くする様な行動は出来る。

「甘っちょろい事」と思いつつも、そういう草の根的な努力はしていきたいもんだ。

過酷な時代を生きた先人(両親だって、僕に比べりゃずっと大変な時代を生きてきた)のおかげで平和な時代に暮らせている者の務めではあるまいか(*v.v)。。

ってか、平和に対して僕が出来るのは少しでも多くの税金納める事か、周りといかに仲良くできるかくらい。







●僕だけの旅だったら平和祈念資料館もひめゆりの塔も行かなかったと思う
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「西へ行くポタ(*v.v)。。」当初の構想と全然違うものになったけど、それなりに親孝行も出来た。

今回に限っては、1人で山陰を遊びまわるより、こっちの旅を選択して本当によかったと思う

次は、岩手に帰ってゆっくり過ごしたいね。

おつかれさまでした!





※ちなみに

初日、修理に出したBROMPTONくんはその日の夜に戻って来た。

けれど「びっくりするくらい直ってなかった」。

これについては、また別の記事にて。



(おしまい)









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