2023ワールドポタの実質2日目の早朝。
僕は『毎回こんなことやってるな』と思いながら、VAIO Zでレバノン国内の自転車店を検索しまくっていた
●この日の行動計画
海岸線沿いの道をベイルートまで88kmほど自走する予定だったが・・・
●とてもムリ
<ステータス>
よろい:ぬののふく
かぶと:おりたたみヘルメット
ステータス:のろい(つうしんふのう、せいしんふあん)
じつだん:55万L.L. + 33ドル / 1,000中国元(このくにではつかえない)
まほう:ANAカード(このまちではつかえない)
うま:BROMPTON号【おおけが】(そうこうふのう)
おたから:猫神の置物、ハイクラスキーホルダー
●愛馬BROMPTON号がおおけが
昨晩、ペダルがもげて「走行不能」。
必死のリサーチの結果、レバノン国内で手当可能そうな病院(BROMPTONを明らかに取り扱っているショップね)を2軒見つけたのだけど・・・
①首都ベイルートの店→日曜定休
②北部タラーブルスの店→危険度3エリア内
→どちらも利用できない。
今日相談できるとしたらベイルート市内で1軒だけ見つけることが出来た「気の利いてそうな自転車店」のみ。
僕は『毎回こんなことやってるな』と思いながら、VAIO Zでレバノン国内の自転車店を検索しまくっていた
●この日の行動計画
海岸線沿いの道をベイルートまで88kmほど自走する予定だったが・・・
●とてもムリ
<ステータス>
なまえ:KOU
よろい:ぬののふく
かぶと:おりたたみヘルメット
ステータス:のろい(つうしんふのう、せいしんふあん)
じつだん:55万L.L. + 33ドル / 1,000中国元(このくにではつかえない)
まほう:ANAカード(このまちではつかえない)
うま:BROMPTON号【おおけが】(そうこうふのう)
おたから:猫神の置物、ハイクラスキーホルダー
●愛馬BROMPTON号がおおけが
昨晩、ペダルがもげて「走行不能」。
必死のリサーチの結果、レバノン国内で手当可能そうな病院(BROMPTONを明らかに取り扱っているショップね)を2軒見つけたのだけど・・・
①首都ベイルートの店→日曜定休
②北部タラーブルスの店→危険度3エリア内
→どちらも利用できない。
今日相談できるとしたらベイルート市内で1軒だけ見つけることが出来た「気の利いてそうな自転車店」のみ。
しかし。
そこまでどうやって行くんだ?
タクシー代は?
もし直せたとして、修理代は?
そも、ここの宿代は?
キャッシュの問題で詰まってしまう。
●つかれた。何も考えたくない
はっきりしていることは2つ。
①「本日、ベイルートまでの自走は不可能」
②「何事も相談相手は宿のおかみさんだけ」
これらは間違いない。
『おかみさんになるべく負担かけないように、予め英文で「お願いごと」をまとめておこう』
①「本日、ベイルートまでの自走は不可能」
②「何事も相談相手は宿のおかみさんだけ」
これらは間違いない。
『おかみさんになるべく負担かけないように、予め英文で「お願いごと」をまとめておこう』
そして、朝ごはんの後に相談するんだ。
翻訳サイトなども使って「お願いごと」を10分程でまとめた僕は、シャワーを浴びて服を着替え、朝の散歩に出ることにした。
お~、ステキだなあ
●港に出た
●港前の民家の庭で、椅子に腰かけた聖人像が朝焼けの港を眺めている
ああ。
こういう景色こそ、旅先の土地の何気ない日常。
僕が旅に求める要素そのもの!
「はっ」
相棒もこういう景色を見たいに違いない!
慌てて宿に戻り、寝ていた彼を連れ出す。
●お互い、生涯で二度は来ない町に来てるわけだし、走れなくとも一緒に歩こう
●「女神像」の足元で漁夫たちが作業している
●港内の浮遊物は日本より格段に多い
「地中海はゴミ多いな」と前から思っていたが、多分、世界中の海もこうなる筈だ。
とてもすがすがしい散歩だ
●旧市街もめぐる
●あっ!
●なんてかわいい
ネコの多さはイスタンブールを思い出す感じ。
●そして、聖人像も多い
●民家3軒に1軒くらいのペースで何かしら聖人が飾られている
●もしかして、こういうものの密度は世界一か?
●ビーチは無人だった
●野犬もかなり多いね
●散歩中、かなりしつこい「朝食の客引き」につきまとわれて難儀した
『・・・ほんと、宿に泊めてもらえて助かった』
野宿なんてハメになってたら、一晩の間に何回か危ない目に遭ったろう。
●たっぷり歩き回り宿に戻る
屋上に行くと、おかみさんがすぐに朝食の支度をしてくれた。
「肉」「魚」など何種類かの選択肢の中から僕がチョイスしたのは・・・
●「スールスペシャル」
スールの郷土食という「豆のペースト」を中心とした料理。
●例によって食べ方がわからない
KOU「どう食べればいいのかしら?」
●たっぷり歩き回り宿に戻る
屋上に行くと、おかみさんがすぐに朝食の支度をしてくれた。
「肉」「魚」など何種類かの選択肢の中から僕がチョイスしたのは・・・
●「スールスペシャル」
スールの郷土食という「豆のペースト」を中心とした料理。
●例によって食べ方がわからない
KOU「どう食べればいいのかしら?」
おかみさんは、笑いながら教えてくれた。
①適当量の豆ペーストをすくい、オリーブオイルをかける
②パンを適当な大きさにちぎって・・・
③ペーストをくるみ・・・
④おいしくいただく(*v.v)。。
「マサハバ」という料理で、キプロスからシリアにかけて食されているものらしい。
ひよこ豆を使うのは各地共通だが、スール(レバノン)ではオリーブオイル、ダマスカス(シリア)ではバターをかけて食べるなど、地域によってかなり味は違う模様。
●大変おいしゅうございました(*v.v)。。
・・・いや、宿代持ってないのに、こんなにくつろいじゃっていいのかな
(以上、横向き写真おわり)
●さて、ジャッジメントタイムだ
KOU「結局、僕はどうやってお支払いすればいいのでしょう?」
①適当量の豆ペーストをすくい、オリーブオイルをかける
②パンを適当な大きさにちぎって・・・
③ペーストをくるみ・・・
④おいしくいただく(*v.v)。。
「マサハバ」という料理で、キプロスからシリアにかけて食されているものらしい。
ひよこ豆を使うのは各地共通だが、スール(レバノン)ではオリーブオイル、ダマスカス(シリア)ではバターをかけて食べるなど、地域によってかなり味は違う模様。
●大変おいしゅうございました(*v.v)。。
・・・いや、宿代持ってないのに、こんなにくつろいじゃっていいのかな
(以上、横向き写真おわり)
●さて、ジャッジメントタイムだ
KOU「結局、僕はどうやってお支払いすればいいのでしょう?」
おかみさん「さて、どうしましょうねえ」
KOU「実は・・・自転車のことでも相談したいことがあって」
あさイチでまとめた「自転車に関する相談事」の画面をおかみさんに見せる。
その内容は、下記について具体的かつ端的に英文で表記したもの。
①自転車の破損個所
②必要な措置(ペダル交換)
③自転車の特殊性による課題
④相談できそうな自転車店のHP
⑤相談できそうと考える理由
彼女は30秒くらい文章を読んで、
おかみさん「なるほど・・・わかった、まずは自転車の方をなんとかしましょう」
KOU「ん?でも、先に宿代を解決しないと、申し訳ないですよ」
おかみさん「いえ、あなたの旅のスケジュールに大きく関わる課題を先に解決しましょう」
●神・・・なのか?
おかみさんは自転車屋に電話をかけて、VAIO Z画面の文章を見ながら状況を説明してくれた。
さらに、自転車屋の指示を受けてGalaxyでペダルの破損状況を撮影、送信。
おかみさん「40ドル(約5,800円)で修理可能だって!!」
KOU「そんな簡単に直せる筈が無い」
『折り畳み機能がついた特殊なペダルだよ』と彼女に自転車屋に説明してもらう。
おかみさん「普通のペダルに交換すればいいと言ってる。自転車折り畳みたい時は抜けばいいって」
なるほど、そういうことか。
おかみさん「あなたの旅を続けられる素晴らしい解決策と思うわ 今日この後、その自転車店に行くことにしましょう」
KOU「しかし・・・僕はあなたへの宿代すら払う方法が無い」
おかみさん「もし、あなたがタクシーに乗れないなら、私の旦那が仕事に行くついでにベイルートの自転車屋まで送るわよ」
KOU「・・・で、あなたが考える僕の支払い方法案を教えて頂けまいか?」
おかみさん「western unionって知ってる?」
KOU「いいえ」
おかみさん曰く、世界中に簡単に送金できるシステムらしい。
おかみさん「あなたの国で送金してもらえば、1~2時間で近くのオフィスから係員が現金を持ってきてくれるの」
なるほど。
だったら、僕自身がネットバンクで店に入金すれば「即完了」かもだ!
しかし、思ったより送金のハードルは高かった。
・実店舗に「現金」を持ち込まないといけない
・日本の店舗は東京圏の郊外にしかない
・時差の関係で日本はもう夕方
KOU「ダメだ、お店が遠くて頼める人がいません」
おかみさん「あら、そうなの 他の方法は思い浮かばないわ」
もはや日本に帰ってからEMS(国際速達郵便)で(禁止事項ではあるけど)送金するしかない。
サイトで確認すると、レバノンには5~6日で到着することが判った。
おかみさん「ずいぶん早いのね・・・わかった、他に手段がない時にはそうしましょう。どっちにしても、あなたにこの後のためのお金を渡さないとね」
おかみさん「ずいぶん早いのね・・・わかった、他に手段がない時にはそうしましょう。どっちにしても、あなたにこの後のためのお金を渡さないとね」
●・・・最終的に頼るしかなさそうだが、非常に抵抗感がある
KOU「もう1回、ATMでキャッシングできないか確認してきます」
昨晩、VISAカードの「海外キャッシング枠」をWEB申込していた。「利用開始まで最速3~4日」とあったが、ダメ元で試さないと気が済まない。
ATMには片道徒歩15分かけて到着したが、当然、キャッシングは出来ず、宿にとんぼがえり。
詰んだ。
KOU「やっぱりダメでした」
おかみさん「でも、こっちはグッドニュースよ。あなたのカードが使えるわ」
彼女はクレカ決済の端末を持ち上げて笑った。
KOU「・・・はい?」
おかみさん「銀行の人に来てもらって端末をチェックしたの。3年間使ってなかったけど、『使える』って」
彼女はそう言った後、隣のビジネスマン風の男性を睨むしぐさを見せた。ビジネスマンはおどけた様に肩をすくめる。
KOU「・・・何が何やら、さっぱりわからない 端末使えるなら、最初にやっていれば・・・」
おかみさん「後で説明するわ。
まず、私は今、あなたにこの後の行動費300ドルを渡す。
次に、あなたのカードから宿泊費90ドルと、行動費分300ドルを引き出す。それでいいかしら?」
なるほど!
これならキャッシング枠無しのカードでも、現金を引き出せるわけか。
おかみさん「行動費、500ドルくらいあったほうがいい?」
KOU「レバノンの滞在はあと丸2日だし、300ドルあれば十分ですよ」
おかみさんが差し出した300ドルを受け取る。
おかみさん「もう、小悪党にひっかかっちゃダメよ」
おかみさん「行動費、500ドルくらいあったほうがいい?」
KOU「レバノンの滞在はあと丸2日だし、300ドルあれば十分ですよ」
おかみさんが差し出した300ドルを受け取る。
おかみさん「もう、小悪党にひっかかっちゃダメよ」
差し出された端末にカードをかざすと「ピッ」という聞きなれた音が鳴った。
おかみさん「・・・うん、ちゃんと決済できた」
●体中の力が抜けて、緊張が溶けた
よかった、宿代払えた。
そして、手元ドルが333ドル(約4.8万円)に。550,000レバノンポンド(約5,400円)と合わせて使用可能キャッシュは5万円台を回復。
「金欠ストレス」からもひとまず脱出だ。
おかみさん「無事、解決してよかったわ!!でも、銀行から私に今回のお金が支払われるのは2カ月~3カ月後なの」
KOU「ええっ!?」
おかみさん「銀行は大きな取引先にはすぐお金を支払うけど、ウチみたいな小さなお店はとことん後回し。馬鹿にしている。だから、私たちは銀行を信用しないし、使わないのよ。でも、今回はあなたの援けになって、本当によかったわ」
おかみさん「銀行は大きな取引先にはすぐお金を支払うけど、ウチみたいな小さなお店はとことん後回し。馬鹿にしている。だから、私たちは銀行を信用しないし、使わないのよ。でも、今回はあなたの援けになって、本当によかったわ」
なんてこった。
そんな裏側があったなんて。
KOU「・・・本当にありがとうございます。もう、それしか言えない」
おかみさん「いいのいいの あとは自転車店行きのタクシーの手配ね。私がちゃんとやるから、安心してね」
コメント
コメント一覧 (2)
「あなたが神」
って感覚、わかります。
まあなんともならん事もありますけど。
KOU
がしました
今回の旅でも何人かの人に助けられるのですが、スールのおかみさんは本当に「神」でした。宿泊予約サイトでその人柄が讃えられているのもわかるような。
そして、この後も色々な立場の人に出会い、実際の僕は「人助けとは何ぞや」という事を道中盛んに考える旅になっていきました^ ^;
KOU
がしました