●2023年9月16日土曜日17:40(レバノン現地時間)
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今宵の銭と宿の心配がなくなった僕は、早速ポタに出る
まず、宿の裏の雑貨店でコークを購入だ!

KOU「これください
店主「20」ボソッ

・・・20???

意味不明。
20L.L.(レバノンポンド)なら1円未満で安すぎ。
20ドルなら3,000円弱なので高すぎ。
ただ、現時点でL.L.がないので、何だろうがドルで払うしかない。

『50ドル札出せば、お釣り48ドルくらい戻るのだろう』








●なにっ!?
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渡された驚くほど高額(っぽい)紙幣の束。
10万と書かれた札が5枚。
5万と書かれた札が2枚。
60万L.L.(レバノンポンド)??

KOU「もらいすぎじゃない?」
店主と他の客は"高額な"L.L.札に戸惑う僕の様子を見て爆笑している。間違いじゃないらしい。
『通貨の価値が全然掴めねない』
混乱しつつ60万L.L.を財布におさめ店を後にする。


※帰国後、むしろ60万L.L.では不足なのに気づく。
払ったお金 
50ドル(≒7,511円)
コーク価格 仮に
2ドル(≒300円)として
正しい釣銭 48ドル(≒
72万1,500L.L.)
貰った釣銭 
60万L.L.(≒39.9ドル≒5,994円)
不足の釣銭 
12万1,500LL(≒ざっくり1,200円)

僕はコークゼロ1本1,500円で買っていた。




















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04.(レバノン)
ビクビク!古代都市スール探走 篇














●さて「スールのまち」ポタだ
hikaku

旅マエに調べたところ、スールの町の面積は浜名湖に面した「かんざんじのまち」に近い。












●予定していたポタコース
1日目_2

「オンラインつうしんふのう」でマイマップは使用不能。よって、上の画像マップを参考に探索してみる。

舘山寺程度のかなり狭いエリアだし、なんとかなるだろう。










●宿前から出発!
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このあたりはクルマ1台通れない狭い道。
貨物輸送はバイク+リヤカーかも知れない。











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迷路の様な路地には、聖人像や肖像が驚くほど高密度で祀られている。











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中東のゴチャゴチャした町なのに、ここの旧市街は本当に静か。
なんか、ふしぎなかんじ












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夕景に近づきつつある海岸線に出た。
この海は地中海。












●ここは、2019旅で渡ったジブラルタル海峡の「ちょうど真東」だ
chichukai
(過去立ち寄り地MAP・地中海周辺ver.)

個人的に、地中海は「ゴミ溢れる海」という印象が強い。
訪れる全ての場所で、海面を漂うゴミが確率100%で視界に入るから。

おそらく、海洋ゴミ密度は日本海を圧倒するだろう。












●スールの海も同様
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海面もゴミだらけ。砂浜も打ち上げられたゴミだらけ。
海が荒れる時期が終わる度、春の日本海海岸線以上の海洋ゴミで埋め尽くされる筈だ。

さらにレバノンの場合、政府機能が低調なため、沿道も国全体でゴミだらけだ。











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そんなビーチで海水浴している人々の風景。













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・・・まあ、のどかだね( ´ 3`)~♪












●しかし、基本的にこの国はカオスだ
Lebanon

道路のど真ん中に縦列駐車するか?
しかも、かなり往来がある道路だぞ- -;

周りを確認せずハンドル切ったり、クルマ動かしたり、ドア開く人も多そう。
正直、めちゃくちゃ怖い。











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それでも懸命にハンドルを操って、目的地のひとつである岬に向かう













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あれ?
あたりが少し貧相な雰囲気に
嫌な予感がする。。。











●ほらきた
kid


海岸の掘っ立て小屋から、僕を見つけた6~10歳くらいの兄弟が飛び出してきた。
『まずい
慌ててBROMPTONくんを加速するも、喜んで追いかけてくる。
一方、僕のゆく手は行き止まりだ。
『くそ、このパターンか

彼らは恥ずかしそうにモジモジしつつ、はにかみながら「ワンダラー」などと言って手を差し出す。

KOU『バカこくでねえど!』







●おっさん、極貧なのよ
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<ステータス>
なまえ:KOU

よろい:ぬののふく

かぶと:おりたたみヘルメット

ステータス:のろい(つうしんふのう)

じつだん:60万L.L. + 33ドル / 1,000中国元(このくにではつかえない)

まほう:ANAカード(このまちではつかえない)

うま:BROMPTON号

アイテム:コークゼロ

おたから:猫神の置物、ハイクラスキーホルダー

-------------------------------------


KOU「ノーノー、アイム シリアス プアーマン! イッツ リアル!

子供たち「キャッキャッ

埒が明かない
『くそ、しゃーないな』
ポケットの500円玉を取り出して兄ちゃんに渡す。
2人とも「え~、なにこれ!」とわかりやすい失望した表情に。

KOU「イッツ アバウト スリー オア フォー ダラーズ
兄ちゃんは「そうなの?」という様で500円玉を眺めた。
使えるかどうかわからん硬貨なので不満そう。
・・・でも、どこか満足した様な複雑な感じ。








●さあ、ポタに戻ろう・・・
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・・・しかし、2人はお金をせびらなくなったものの、なぜかついてくる。

「・・・」
BROMPTONくんのサドルを下げて、弟ちゃんに「乗るか?」と差し出してみた。

喜んだ様子で自転車に乗ろうとして、小さな彼はフレームのレザーカバーを土足で踏んで汚した。
しかし、サドルに跨った後に気づき、すぐにパッパっと土埃を手で払う。
そして、笑いながらキラキラした目で僕を見上げた。





●『めっちゃ かわいいじゃん!』
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今までいくつかの国で何人かの子どもを乗せてるけど、それやってくれたのは君が初めてだ。









●弟ちゃんを乗せたまま、海岸線をトコトコと押し歩く
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おお、あれがスールの古代遺跡か









●キリスト教系のものらしい墓地に入ると、2人は入口から入ってこなかった
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まるで、そこに結界があるみたいに。
写真を少し撮って入口に戻ると兄ちゃんが尋ねてきた。

兄ちゃん「おっさんはクリスチャンなの?」
KOU「ノーノー
兄ちゃん「じゃあ、ムスリム?」
KOU「ノーノー

アラビア語で正確には判らなかったが、多分そんなやりとりだったろう。

最後に、BROMPTONくんの折畳みを披露して2人と別れた。
2人はしばらく追いかけてきたが、こちらが時速30kmを超えたあたりでさすがに諦めた。














●ロマン探求ポタ(*v.v)。。中東世界テーマ曲
KONAMI Pop'n Music(2010) ♪The Sky of Sadness 


















●さて、目的である古代遺跡を訪ねていこう
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スールは紀元前2500年よりフェニキア都市として発展し、紀元前1000年頃には首都として栄えた所。
あのアレクサンダー大王に唯一抗戦し、壊滅した都市国家でもある(*v.v)。。











●漂うは遠き古代から続く悠久のロマン(*v.v)。。
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・・・でも、なんかローマ時代の遺跡にしか見えないね











●えっ、スールにはほぼローマ時代の遺跡しか残っていない!?
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・・・残念ながら、ローマ時代に町が大規模に造り替えられたらしい。
ただ、一帯は1920年まで長らく地中に埋まっていたという。
そのおかげで高さ10m以上の石柱が良好に残されている、貴重なローマ遺跡だそうだ。












●もう一つの大規模遺跡に行きたいが、クルマの流れがとにかく怖い
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ぶつかる様なスレスレを攻めてくる上に、道も悪い。
気が付くと、比較的安全な旧市街に戻ってきた











●『もう少しクルマが減る時間まで待ったほうがいいか』
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・・・おっと、ケータイショップだ。
サムスン、ファーウェイの看板はあるが、残念ながら「僕らのSony」は無いね。










●漁港にやってきた
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ああ、日暮れ時の漁港町の雰囲気、大好き
港の漁船には、古いものも新しいものも、様々ある。










●桟橋には白亜の女神像が聳え立っていた
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やっぱり、ここはクリスチャンが優勢なまちっぽい。
なかなか素敵な風景












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港まわりの汚さも、この国の風情か。












異国旅を久々に愉しみ始めた僕。

しかし、そこに異変が忍び寄りつつあった。
・・・実は、異変の兆候はゼロではなかったのだが、
僕はそれが意味するものに気づいてはいなかった。













●KOU『もう少し旧市街で時間をつぶしたら、古代遺跡を見に行こう
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僕は愛馬・BROMPTON号に語りかけ、靴の脇で彼の横腹を「ポン」と軽く叩いた。
しかし、愛馬は苦しげな声をあげてくずおれ、動けなくなった。


KOU「ぶ、BROMPTON号!?」


慌てて鞍から降りて、愛馬の様子を調べる。

「うっ、これは・・・!」




(つづく)



次回

それは、全く予想外の出来事だった。
海外旅では勿論、17年続く趣味ポタの中でも経験した事のないアクシデント。
僕の愛馬・BROMPTON号は一瞬で【重症】かつ【走行不能】に陥ってしまった。

『なぜ、今、ここでなんだ

ってか、これ、この旅の中で治療できるの?


次回:レバノンの章 【絶望】港町スールの夜はふけゆく 篇



※不定期更新です。


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