⑦3日目中半(真綿で首をなんとやら。丹後の道)
●ぐう!!
ひっきりなしに「地味峠ジャブ」が叩き込まれる
『マズイ、やっぱりこうなるか!』
●これから走る山陰海岸はリアス式海岸
リアス式海岸には岬(でっぱり)がたくさんある。
その分だけピークも多いということだ。
そんなん判ってるのに・・・
・・・今日、そんなトコを135kmも走るの!?
誰だよ、こんなバカげたルート設定したのは。
●勿論、僕だ
まあ、進むしかない
ここまでのところ、僕が設定したルートは旧街道そのものらしい。
ここは京丹後市の大宮地区で、古くから「丹後ちりめん」で栄えたという。
その先、大量の川砂が印象的な川を見つける。
キレイだな
こんなところで子供たちに川遊びさせたら、めちゃめちゃ喜ぶだろうな
BROMPTONキャンプで出かける銚子川(三重県紀北町)とはまた別の美しさ。
●ただ、そんないい景色は続かない
上ったり下ったりの道が延々と続く
●そして、天橋立を出て2時間20分・・・
あたりの様子が少し変わってきたぞ
●久美浜(クミハマ)という町らしい
日本海に面した湾の最奥にある町だという。
漁業やら廻船、その他色々賑わったであろう立地だ。
●町の中に目を走らせると・・・
おっ!
なかなかの風情!
そういえば、ぼちぼちお昼時!
おなか空いたし、この町で刺身定食でも食べていきたいな・・・
しかし、これといったお店は見当たらない
仕方ないので、行動食(ソイジョイ ブルーベリー)を食べて小休憩モグモグ(*v.v)。。
そして、久美浜の町を出ると・・・
●また山道か- -;
この表示、大体あまり状態のよくない山道・谷道・海沿いの道にある、荒天の際に通行止めにするためのもの。
『まあ、区間キョリが1.5kmなら大した事なさそうか・・・』
●大したことあった
上がったり下がったりを繰り返しながらここまで上がってきた
●初日に突破した武平峠(880m)よりずっと小さい丘でも、135kmも続くのはキツすぎる
ヨタヨタとBROMPTONくんを押しあがっていると、下ってきた女性ローディーとすれ違った。
反対側を上ってきたらしい。
今日、この道では初めて出くわした自転車乗り。
あまり自転車が通らないって事は、もっとラクで見晴らしのいい道があるのかも、だ。
●頂上は狭い切通しだった
●初日に突破した武平峠(880m)よりずっと小さい丘でも、135kmも続くのはキツすぎる
ヨタヨタとBROMPTONくんを押しあがっていると、下ってきた女性ローディーとすれ違った。
今日、この道では初めて出くわした自転車乗り。
あまり自転車が通らないって事は、もっとラクで見晴らしのいい道があるのかも、だ。
●頂上は狭い切通しだった
ん?
向こうに「2階建て」の看板。
もしや・・・
●12:02、但馬国に到達!
向こうに「2階建て」の看板。
もしや・・・
●12:02、但馬国に到達!
丹後(タンゴ)とか但馬(タジマ)とか出てくると(注:どこにもそんな表示はない)、いよいよ時代劇がかってくる。
水戸黄門一行の旅路を辿っているみたいだ。
ちなみに、兵庫県はこの旅で6番目の都道府県。
●下りの道は結構長かった!
あぶねー、こっち側からの上りじゃなくてよかった
●ギューンと坂を下るうちに・・・
視界がパッと開け、美しい集落が広がる!
美しい谷川のほとりの道を快走!
楽しい!!
しかし・・・
●チィッ
またしても!
●キ、キツイ
こんなことを延々と繰り返す。
●2回目の補給食タイム
朝からこんな道を80kmほど走り続けてるからなあ
●またしても周りは完全に「山」に
ふと、思う(*v.v)。。
僕の旅、いつも「ポタ旅」と言ってるけど、もしかして全然「ポタリング」じゃないのでは・・・?
●言うなれば・・・
a. 苦行(クギョウ)
b. 悪夢(アクム)
c. 地獄(ジゴク)
うーん、どれもしっくりくるぞ
●そういえば、サイクリング好きの後輩にこんな事を言われる
「KOUさん、ルートを引いて高度を検討しないからダメなんですよ!」
・・・まあ、そうなんだけど、君は「僕という人間」を判っていないのだ。
●事前に高度とか調べたら、僕は大半の旅に出なくなるだろうが
こんな坂上りたくないからな!
●今日10何回目かの小峠を越え、10数か所目の集落に下り入る
長~い下り坂を重力加速で進みながら、ふと、気づく。
・・・セミの鳴き声がしないな。
昨日、高島市内までは間違いなく聴いていたけど、今は聞こえない。
どこかで季節の境界線を突破したようだ。
●そして、周囲の雰囲気が明らかに変わった
海か湖か判らんが、水面の先にビルが立ち並ぶ町が見える
●道の先に、印象的な橋
少し大正ロマンっぽいものを感じさせる空気感・・・
これはもしや・・・
●12:38、城崎温泉(キノサキオンセン)に到着!
前から気になっていた温泉地!
しかし、
「志賀直哉の小説に登場すること」
「雰囲気がいいらしいこと」
この2点しか知らない。
志賀直哉の小説名・・・なんだっけな?
・・・
「情熱(ジョウネツ)」?
【答え】「城の崎にて(キノサキニテ)」
●イモリだったかヤモリに間違って石をぶつけるお話だ
遠い昔に読んだ内容を思い出そうとするが、30秒で諦めて通りを見回す。
「Go to」で結構人が多いみたい
なるほど、確かに風情がある!
銀山温泉の雰囲気に通じる。
ただし、規模はこちらの方がずっと大きい。
旅館に泊まり、夜、お酒を飲みながらそぞろ歩きしたい
●さて、ごはんを食べた方がいいんだろうけれど・・・
人出が多い上、お昼時なので入店すると結構時間がかかりそう。
●大きなソフトクリームで手っ取り早くカロリーを補給しよう!
この町で30分も時間とってられないからな。
いつもながら、忙しない旅
●抹茶ソフトを頂く(*v.v)。。
冷たい甘さがカラダの隅々に浸透する~♪
さて、今のところ、ヒザも奇跡的に異常起こしていないし、他、脚を攣ったりなども無い。
順調と言えるかも知れない。
『・・・これ、マジで走りきれるんじゃないの…?』
●時刻は12:51
現在地は本日予定キョリ160km+のほぼ中間地点。
残キョリは長くて85km程度。
13:00の時点でこんな長いキョリを残しているのは、当然ながら初めて。
ただし。
平地の僕の巡航速度15km/hで休みなく走り続ければ5時間半。
休憩などくっつけても6時間半あれば到着できる。
『つまり、遅くとも19:20頃には確実に到着できる・・・平地であれば。』
リアス式海岸の場合、どうなるだろう?
山陰海岸はリアス式海岸ではあるが、我が故郷岩手の三陸海岸ほど「壮絶なリアス式」には見えない。
「平地2割増の難度」として「1時間半程度の遅れ」で到着できればギリギリ21時か・・・。
それ以降になる場合、それはもう何かしらアクシデントが発生している状況だろうな。
●でも、何があっても大丈夫だ
何しろ、ここは日本。
何かあったらタクシー呼べばいいだけ。
なんでもスグ解決できる!
「よっしゃ!」
顔を両手でピシャっと叩く。
残り80km少々、リアス式海岸を走破して鳥取砂丘を愉しみ、ホテルにチェックイン!
初の1日160km超走破を成功させるぞ
僕は、気合を入れ、BROMPTONくんに跨って走り出したのだった
(つづく)
<次回予告>
●「オラオラオラオラ!!」
城崎を出発するや否や、KOUに襲い掛かる怒涛の小峠ラッシュ!
「くっ」
辛うじてしのぎ海沿いの道を行くKOU!
しかし、それは恐るべき必殺技への誘い水だった!
●『必殺!!自動車専用道パンチッ・・・!!!』
「がはぁっ!!」
崩れ落ちるKOU!
「バカな・・・!」
ナビで誘導されて来た道が、どんづまりに来て突然自動車専用道になるトラップ…!!!
通れない道を案内され続けたイスラエルの悪夢が甦る!
ここから後戻りして迂回すれば・・・追加キョリ+20km!!
不意に天から垂れてくる救いの糸…目の前のJR駅!!!
「・・・ぐうっ!」
崩れ落ちるKOU!
「バカな・・・!」
ナビで誘導されて来た道が、どんづまりに来て突然自動車専用道になるトラップ…!!!
通れない道を案内され続けたイスラエルの悪夢が甦る!
ここから後戻りして迂回すれば・・・追加キョリ+20km!!
不意に天から垂れてくる救いの糸…目の前のJR駅!!!
「・・・ぐうっ!」
KOUの選択は如何に・・・!?
次回、本編最終回!!
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