●2020年9月22日(火祝)09:20
名古屋~鳥取ポタ_pass5

丹後国・天橋立を突破した僕は、不安を感じ始めていた

本日の目的地・鳥取駅前まで残り135km少々。

本当に走り抜けられるのだろうか?





●道が上り坂に・・・
BROMPTON旅 天橋立 城崎

結構な急坂。

「何キロも続く本格的な峠」というわけでもないんだろうけれど・・・






BROMPTON旅 天橋立 城崎 (2)

周囲の景色が次第に「山」っぽくなっていく。

ちなみに、この薮の下に「滝」があるそうなのだが、当然僕に見に行く余裕はない






●5~6分上がって峠に達する
BROMPTON旅 天橋立 城崎 (3)

今日の道、派手な峠は無い筈だけど、こういう地味なのがジャブの様に襲い掛かってきたりして。

『・・・ハハ、ましゃかな

しかし、そのましゃかなのであった!








名古屋~鳥取ポタtitle_re





⑦3日目中半(真綿で首をなんとやら。丹後の道)








ぐう!!
BROMPTON旅 天橋立 城崎 (6)

ひっきりなしに「地味峠ジャブ」が叩き込まれる

『マズイ、やっぱりこうなるか!』






●これから走る山陰海岸はリアス式海岸
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リアス式海岸には岬(でっぱり)がたくさんある。

その分だけピークも多いということだ。

そんなん判ってるのに・・・

・・・今日、そんなトコを135kmも走るの!?

誰だよ、こんなバカげたルート設定したのは。







●勿論、僕だ
BROMPTON旅 天橋立 城崎 (7)

まあ、進むしかない

ここまでのところ、僕が設定したルートは旧街道そのものらしい。

ここは京丹後市の大宮地区で、古くから「丹後ちりめん」で栄えたという。







BROMPTON旅 天橋立 城崎 (8)

その先、大量の川砂が印象的な川を見つける。

キレイだな





BROMPTON旅 天橋立 城崎 (9)

こんなところで子供たちに川遊びさせたら、めちゃめちゃ喜ぶだろうな

BROMPTONキャンプで出かける銚子川(三重県紀北町)とはまた別の美しさ。






●ただ、そんないい景色は続かない
BROMPTON旅 天橋立 城崎 (11)

上ったり下ったりの道が延々と続く







●そして、天橋立を出て2時間20分・・・
BROMPTON旅 久美浜 城崎

あたりの様子が少し変わってきたぞ






●久美浜(クミハマ)という町らしい
BROMPTON旅 久美浜 城崎 (3)

日本海に面した湾の最奥にある町だという。

漁業やら廻船、その他色々賑わったであろう立地だ。






●町の中に目を走らせると・・・
BROMPTON旅 久美浜 城崎 (4)

おっ





BROMPTON旅 久美浜 城崎 (5)

なかなかの風情






BROMPTON旅 久美浜 城崎 (6)

そういえば、ぼちぼちお昼時!

おなか空いたし、この町で刺身定食でも食べていきたいな・・・









BROMPTON旅 久美浜 城崎 (7)

しかし、これといったお店は見当たらない

仕方ないので、行動食(ソイジョイ ブルーベリー)を食べて小休憩モグモグ(*v.v)。。

そして、久美浜の町を出ると・・・






●また山道か- -;
BROMPTON旅 久美浜 城崎 (9)

この表示、大体あまり状態のよくない山道・谷道・海沿いの道にある、荒天の際に通行止めにするためのもの。

『まあ、区間キョリが1.5kmなら大した事なさそうか・・・






●大したことあった
BROMPTON旅 久美浜 城崎 (10)

キョリは短くとも急な坂はたくさんある。

もう、マジでウザい






BROMPTON旅 久美浜 城崎 (11)

上がったり下がったりを繰り返しながらここまで上がってきた







●初日に突破した武平峠(880m)よりずっと小さい丘でも、135kmも続くのはキツすぎる

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ヨタヨタとBROMPTONくんを押しあがっていると、下ってきた女性ローディーとすれ違った。

反対側を上ってきたらしい。

今日、この道では初めて出くわした自転車乗り。

あまり自転車が通らないって事は、もっとラクで見晴らしのいい道があるのかも、だ。









●頂上は狭い切通しだった
BROMPTON旅 久美浜 城崎 (12)

ん?

向こうに「2階建て」の看板。

もしや・・・








●12:02、但馬国に到達
BROMPTON旅 久美浜 城崎 (13)

丹後(タンゴ)とか但馬(タジマ)とか出てくると(注:どこにもそんな表示はない)、いよいよ時代劇がかってくる。

水戸黄門一行の旅路を辿っているみたいだ。

ちなみに、兵庫県はこの旅で6番目の都道府県。






●下りの道は結構長かった!
BROMPTON旅 城崎

あぶねー、こっち側からの上りじゃなくてよかった








●ギューンと坂を下るうちに・・・
BROMPTON旅 城崎 (2)

視界がパッと開け、美しい集落が広がる

美しい谷川のほとりの道を快走

楽しい!!

しかし・・・





●チィッ
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またしても!






●キ、キツイ
BROMPTON旅 城崎 (5)

こんなことを延々と繰り返す。







●2回目の補給食タイム
BROMPTON旅 城崎 (6)

朝からこんな道を80kmほど走り続けてるからなあ







●またしても周りは完全に「山」に
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ふと、思う(*v.v)。。

僕の旅、いつも「ポタ旅」と言ってるけど、もしかして全然「ポタリング」じゃないのでは・・・?






●言うなれば・・・
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a. 苦行(クギョウ)

b. 悪夢(アクム)

c. 地獄(ジゴク)

うーん、どれもしっくりくるぞ







●そういえば、サイクリング好きの後輩にこんな事を言われる
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「KOUさん、ルートを引いて高度を検討しないからダメなんですよ
!」

・・・まあ、そうなんだけど、君は「僕という人間」を判っていないのだ。









●事前に高度とか調べたら、僕は大半の旅に出なくなるだろうが
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こんな坂上りたくないからな









●今日10何回目かの小峠を越え、10数か所目の集落に下り入る
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長~い下り坂を重力加速で進みながら、ふと、気づく。

・・・セミの鳴き声がしないな。

昨日、高島市内までは間違いなく聴いていたけど、今は聞こえない。

どこかで季節の境界線を突破したようだ。






●そして、周囲の雰囲気が明らかに変わった
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海か湖か判らんが、水面の先にビルが立ち並ぶ町が見える







●道の先に、印象的な橋
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少し大正ロマンっぽいものを感じさせる空気感・・・

これはもしや・・・






●12:38、城崎温泉(キノサキオンセン)に到着
BROMPTON旅 城崎 (9)

前から気になっていた温泉地

しかし、

「志賀直哉の小説に登場すること」

「雰囲気がいいらしいこと」

この2点しか知らない。

志賀直哉の小説名・・・なんだっけな?








・・・








「情熱(ジョウネツ)」?

【答え】「城の崎にて(キノサキニテ)」









●イモリだったかヤモリに間違って石をぶつけるお話だ
BROMPTON旅 城崎 (10)

遠い昔に読んだ内容を思い出そうとするが、30秒で諦めて通りを見回す。

「Go to」で結構人が多いみたい







BROMPTON旅 城崎 (12)

なるほど、確かに風情がある







BROMPTON旅 城崎 (13)

銀山温泉の雰囲気に通じる。

ただし、規模はこちらの方がずっと大きい。

旅館に泊まり、夜、お酒を飲みながらそぞろ歩きしたい






●さて、ごはんを食べた方がいいんだろうけれど・・・
BROMPTON旅 城崎 (15)

人出が多い上、お昼時なので入店すると結構時間がかかりそう。






●大きなソフトクリームで手っ取り早くカロリーを補給しよう!
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この町で30分も時間とってられないからな。

いつもながら、忙しない旅






●抹茶ソフトを頂く(*v.v)。。
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冷たい甘さがカラダの隅々に浸透する~♪




さて、今のところ、ヒザも奇跡的に異常起こしていないし、他、脚を攣ったりなども無い。

順調と言えるかも知れない。

『・・・これ、マジで走りきれるんじゃないの…?』








●時刻は12:51
名古屋~鳥取ポタ_pass6

現在地は本日予定キョリ160km+のほぼ中間地点。

残キョリは長くて85km程度。

13:00の時点でこんな長いキョリを残しているのは、当然ながら初めて。

ただし。

平地の僕の巡航速度15km/hで休みなく走り続ければ5時間半。

休憩などくっつけても6時間半あれば到着できる。

『つまり、遅くとも19:20頃には確実に到着できる・・・平地であれば。』

リアス式海岸の場合、どうなるだろう?

山陰海岸はリアス式海岸ではあるが、我が故郷岩手の三陸海岸ほど「壮絶なリアス式」には見えない。

「平地2割増の難度」として「1時間半程度の遅れ」で到着できればギリギリ21時か・・・。

それ以降になる場合、それはもう何かしらアクシデントが発生している状況だろうな。






●でも、何があっても大丈夫だ
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何しろ、ここは日本。

何かあったらタクシー呼べばいいだけ。

なんでもスグ解決できる

「よっしゃ!」

顔を両手でピシャっと叩く。

残り80km少々、リアス式海岸を走破して鳥取砂丘を愉しみ、ホテルにチェックイン!

初の1日160km超走破を成功させるぞ

僕は、気合を入れ、BROMPTONくんに跨って走り出したのだった




(つづく)





<次回予告>

●「オラオラオラオラ!!」

BROMPTON旅 城崎 (20)

城崎を出発するや否や、KOUに襲い掛かる怒涛の小峠ラッシュ!

「くっ

辛うじてしのぎ海沿いの道を行くKOU!

しかし、それは恐るべき必殺技への誘い水だった!






●『必殺!!自動車専用道パンチッ・・・!!!』
図1

「がはぁっ!!」

崩れ落ちるKOU!

「バカな・・・!」

ナビで誘導されて来た道が、どんづまりに来て突然自動車専用道になるトラップ…!!!

通れない道
を案内され続けたイスラエルの悪夢が甦る!

ここから後戻りして迂回すれば・・・追加キョリ+20km!!

不意に天から垂れてくる救いの糸…目の前のJR駅!!!

「・・・ぐうっ!」

KOUの選択は如何に・・・!?

次回、本編最終回!!





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