マンションのエントランスで、今保有している3台の中で一番古い自転車を磨いていた。
ふと思った。
僕は今まで何台の自転車に乗ってきて、それぞれとどんな別れ方をしてきただろう(・・)?
●1台目・・・小学校に入学した頃、親がどっかからもらってきたお古の自転車だったな。
電動式の大きなパトランプがついていた。
僕が使わなくなった後は、親がまた別の家族にあげていたような気がする。
●2台目・・・小学校3~4年の頃買ってもらった自転車で、スライド式のシフター(変速レバー)と
自動車みたく前照灯が2つついている、当時、男の子たちがよく乗っていたタイプだった。
中学に入って1年目くらいで次の自転車に乗り換えた後、どのように処分したか覚えていない。
●3台目・・・中学校に入学した後買ってもらったミヤタ製27インチで、CB(City Bike)という名だった。
現代でも通用しそうなちょっとオシャレな3段変速車で、友達のと色違いのを買ってもらったっけ。
CBはブランドになって今でも続いているようだが、ハンドルポストに面影を感じるのみだ。
●4台目・・・高校に入学した後買ってもらった中古の5000円のママチャリ。
それで家から最寄り駅まで通い、その先の駅から高校まではCBで通っていた。
このチャリは、高校卒業後、購入した自転車店に無料で引き取ってもらった記憶がある。
ちなみに同時期も気に入って使っていたCBは、7年目の予備校時代の交通事故で大破した。
●5台目・・・大学に入学した時、伯父からもらった中古のロードレーサー。
あまりの軽さに驚いた。ドロップハンドルの自転車だった。在学中に盗まれた。
●6台目・・・初めて自分のお金で買った自転車なのだが・・・ママチャリだったかな。
就職して東京に引っ越した後、何度か撤去される度に引き取りに行ってたが、
最後は嫌になってそのままにしてしまった。
●7台目・・・亀有のホームセンターで買った、小型のチャリだった。かわいくて買ってみたのだが、
性能は劣悪で、どこに出かけるにも辟易した記憶がある。
これも何度か撤去され、最後は取りに行かなかった。
●8台目・・・彼女からもらったママチャリだった。長年使わせてもらっていたが、
やはり、無断駐輪していた亀有駅前のイトーヨーカドーの自転車置き場から撤去されてしまった。
当時、別れた直後だった彼女から「警察から電話があった」と聞かされ、恥ずかしかった思い出がある。
これも結局、そのまま取りにいかなかった。
●9台目は・・・柏に引っ越した後に買ったアシスト付き自転車(実質、電動バイク)だった。
電動バイクとしては申し分なかったが、そのまま道路を走ると道交法違反となってしまう代物で、
やがて、フツーの自転車を買う事にした。この乗り物は、柏を去る時に不動産に処分してもらった。
●10台目・・・今、磨いている自転車。
●11台目・・・前車の3年後、DAHONのvitesseP16を買った。より軽く、よりよく走る小径車が欲しくて、
初めて買った10万円越えの自転車。その後もちょくちょくカスタムして、10万円くらいは使ったろうか。
今も大切に使っている1台だ。
●12台目・・・前車の6年後、BROMPTONのM6Lを買った。よりコンパクトに、より輪行しやすく、
より愛着が湧きそうな1台だと思っている。総額で20万円越えの自転車を買ったのは勿論初めてだ。
10台目以降から屋内保管でやってきているが、ここからは室内保管になりそうだ。
・・・結構たくさんの自転車を乗り継いで来たなと思う。
そして、どうやって処分したのかを思い出せない自転車(2台目)や、
葛飾区の保管場で持ち主である僕が取りに来るのを待っていたであろう自転車(6~8台目)には、
なんか申し訳なさのようなものを感じてしまう。
どうも、ただの物体を擬人化して考えてしまっているようだが、
その理由は、今、『10台目』を新しい持ち主の元に送り出すために磨いているからだろう。
10台目の自転車。
11台目(DAHON)や12台目(BROMPTON)よりも乗り心地が良いから持っていてもいいかなあ・・・
・・・なんて思っていたけれど、1人暮らしで3台の自転車を使いまわす事は、まず、無い。
ただ、錆びらかすだけになってしまうだろうと思い、手放す事にした。
最初は自転車屋で廃車してもらう事を考えていたが、
今までそれなりに手入れしてきていた事もあり、乗り心地もバツグン。かわいそうだ。
それに、今だってホームセンターで3万円で売られている新品の折り畳みより、性能はずっといい。
『だったら、この自転車を引き取りにきてでも使いたいという人に、格安で譲ればいいか』
そう思って、『引き取りに着てくれる方限定。1円スタート』でオークションに出してみた。
引き取りに来てくれるなら1円でもいいや・・・と思ってたら、なんと22,000円で落札した
8年前に60,000万円弱で購入した自転車(2万円くらいカスタムはしてあるが)で、
「折り畳みできないかも」、「だいぶ使用感はある」、「ブレーキワイヤー劣化してる」、
「現状渡し」、「引き取りに着てくれる方限定」など悪条件も明記していたので、驚いた。
でも、愛用していた自転車がそれなりに評価してもらえるのは、なんか嬉しいものだ。
『思ったより高い評価をしてくれた新オーナーに、最初から少しでも気に入ってもらいたい』と感じ、
急遽、自転車店に持ち込んで、ブレーキワイヤー・アウターの交換や、シフターの調整をしてもらった。
そして、ウチに持ち帰り、僕の手による最後のメンテナンスとワックスがけ(´з`)/”キュキュキュ
・・・さすがに、ピカピカにはならないか・・・^ ^;
この自転車は、僕にとって初めてのフォールディングバイク。
その機動力と僕自身の好奇心もあいまって、色々な場所に僕を連れ出してくれた。
暑い夏の盛り、区界峠からR106を宮古に向かって下り、旧道や古道を走った。
一番有名な富士山の浮世絵であろう、由比宿の薩田峠の急坂も走った。
日本最大の秘境といわれる秋山郷の、燃え盛るような紅葉に連れ出してくれたのもこのバイクだった。
横須賀~鎌倉~横浜を走破した時も、利根川沿いの道を延々と下った時も、霞ヶ浦を走った時も、
このバイクだったなあ。
あの頃、ポタリングは、今の数倍楽しく感じていたような気がする。
次のオーナーさんにも、大事にしてもらえるといいね。
今までありがとう。
元気でね。(やっぱり、擬人化)
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