雨が降り出した小京都・越前大野。

予想して、お気に入りの傘も持ってきていたし、レンタサイクルも借りませんでした。

雪の山がそこかしこにあるにも関わらず、あたたかな空気。

のんびりと散策を続けます。

























●越前おおの結(ゆい)ステーション
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かなり広い敷地の中に、時代がかった建物が並んでいる一角。

手前は『時鐘』。明治時代~昭和初期まで、この町に時刻を告げていた鐘を懐かしんで建てられたもの。

そのひとつ奥にある建物は『結楽座』。

そのさらに奥にある建物は『藩主隠居所』だ。





















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藩主隠居所は、幕末時代、逼迫していた大野藩の財政を立て直した名君・土井利忠さんが家督を譲った後、

明治元年に亡くなるまでを過ごしていた隠居所で、現在では無料休憩所として提供されている。



利忠は19歳で藩主として江戸から大野に移り住み、31歳の時に財政改革に着手。

自ら率先して生活を切り詰めて、藩の借金を返しきり、同時に西欧文明を学びながら数々の事業を行い、

藩の財政を潤わせてしまうという…かなりの手腕でございます。




















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結楽座は、ごらんの様な解放感あふれる建物。

右手側は、浅めのきれいな池があり、縁台に腰掛けると、小山の上の越前大野城の風景を楽しめた。

奥の入口付近は、農家のおばさんが地場野菜を売っているスペース、この左手はオミヤゲ屋さん。























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色々と魅力的なオミヤゲがありましたが、充実していたのはやはりお酒。

大野市の市街には4つの酒蔵があり、魅力的なお酒を作っていると聞く。

ここで、地酒のワンカップなどを買った^0^






















●平成大野屋
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洋館と・・・

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二階蔵(右)、平蔵(左)


ハイカラな雰囲気の洋館は、大野市の伝統産業である織物業の製品検査場だったもので、現在はレストラン。

ギャラリーになっている二階蔵は、大野藩の藩店(現代の総合商社のようなもの)だった建物。

平蔵は木の風合いがステキな内装が人気で、コンサートなどに使われているそうだ。

















●水舟清水と芹沢清水
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平成大野屋の敷地内にも、2つの清水がある。

この町は、本当に湧き水に恵まれている・・・。


















さあ、越前大野城に登ってみよう(^o^)/























●越前大野城
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小高い山の上に建つ大野城の石垣は、ごらんの通り自然の石を使った「野積み」と呼ばれる手法。

江戸城や青葉城の様な、キレイに切り出された石をキレイに組み合わせた石垣よりも目が荒い。

歴史が古い事を証明する造りなのだが、排水性がよく、非常に堅固な造りになるのだそうだ。





















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お城に行く道にはキツイ坂とゆるい坂があり、当然、僕はゆるい方の坂をトコトコ登る…ヤレヤレ(´o`)-3

その脇を、雨にも関わらず、アスリートらしい女の子が軽やかに駆け上っていった。

反対側を見ると、雪解け水を大量に飲み込んだ川がゴウゴウと流れておりました。






















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それから10分くらいのぼって、天守閣に到着。

城自体は再建だが、石垣は昔のまま残っている。

手前は『武者登り』と呼ばれる激階段。

当然、僕は裏手のなだらかな階段をトコトコ登る…ヤレヤレ(´o`)-3
























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見下ろした町の光景は、城山公園から見下ろした僕の実家の光景に少し似ている・・・。

・・・いや、僕の田舎は、もっと平地が広く、家が半分くらい少なくって、そのぶんもっと真っ白だな。

僕の郷愁を刺激する、いい眺め・・・雨だけど^^;























●学びの里・めいりん
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広大なグラウンドには、深い雪が。ところによっては、小柄な女の子なら頭まですっぽり埋まってしまいそう。

ここは、中学校と高校の跡地を利用した生涯学習施設らしい。

広いグラウンドを回廊の様にぐるっと囲んでいる屋根が、本降りになった雨から守ってくれた。



























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“めいりん”の片隅で、たまたま見つけた小さな小さな雪だるま。

あたたかな雨に打たれ、消滅を待っている。

次に誰かが通りがかった時、ここにあるのは一本の小枝だけなんだろうなあ。

























●武家屋敷・旧内山家
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出羽国・角館にも立派な武家屋敷が残っているが、越前国・大野にも残っていた。

























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和室にシャンデリア。

床の間の脇にあるのは、江戸時代の西洋式帆船・大野丸。極東ロシアとの交易で活躍した。

西洋文明を積極的に取り入れ、先進的な産業・科学・経営学を運用したのが大野藩なのだ~。
























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でも、お風呂は昔の日本人サイズ・・・。

現代人なら女でも窮屈を感じる人が多いであろうこの風呂に、大人と子供で入ってたんだなあ・・・。
























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武家屋敷の2Fは天井が低く、「ロフト」の様なカンジ。

170cmたらずの僕でも、アタマが欄間にぶつかるくらいだが、フシギに圧迫感は無い。

かなり落ち着く雰囲気だ。























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2Fには物置スペースもあった。

この写真の奥には滑車があり、床板を外し、階下の土間から荷物を引き揚げる機構があったようだ。

興味深いスペースだが、床板が老朽化が進んでいて、踏み抜いて落ちる危険があり、

部屋の中を渡された歩行用の板の上しか歩けず、それすらも軋んで非常にコワイ--;
























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囲炉裏には釜がかかっていた。

子供の頃、色々な童話の中で“ぶんぶく茶釜”という童話が特に大好きだったのを思い出す。



アタマの中に、パチパチという炭火の音が響いてくる。

外からはしとしとという雨音が聴こえてくる。

静かな町の中、他の音は聞こえてこない。

いいね越前大野。とても落ち着く。











(つづく)