●?:「まちなされ」
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背後にある墓地のほうからやってきたおじさん(牧師ではなかった)が声をかけてきた。

?:「やあ、日本から来たのかい?」

KOU:「わかるのですか?」

?:「わかるさ。はい、これどうぞ」






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KOU:「おおっ!これは我が母国の言葉!」

管理人さん:「25か国分(たしか)用意してるんじゃ

KOU:「すごい!」

管理人さん:「この建物の見どころは古い天井絵じゃが、

  もうひとつ、祭壇(たぶん)の前にある地下室に入ってみるといい。そこには・・・」

KOU:「・・・そこには?」

管理人さん:「それは、自分の目でたしかめてみるといい」






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(ルーマニア) 城塞都市シギショアラ 『地下室』 篇







●管理人さん:「写真?おお、自由に撮ってもらってかまわないぞ」
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手書きの日本語のペーパーをよく見ると「撮影禁止」とあるのだが、管理人さんが言うのなら問題あるまい。

わずかばかりの入館料(3ギルくらい)を払って中に・・・

おっ!








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おお、本当に古い天井絵・・・

ってか、色が剥げていてあまり見えないな・・・







●教会の中では、地域の歴史が非常に詳しく説明されているぞ
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ふむふむ、なるほどなるほど・・・・・・・・・・いまいち イメージがつかないな

教会の文化を知らない僕には、これがどういうことなのかほとんど想像できない。










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トランシルヴァニアといい、ワラキアといい、モルデヴィアといい、こういった小さな国が、

ヨーロッパ勢力の最前線としてオスマントルコと戦うっちゅうのは、なかなか酷い話だと思う。

お、そうか、ハンガリーはハプスブルク家だったのか・・・。







●祭壇を見に行こう
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管理人さんに渡された日本語版資料によると、

13世紀にこの教会が建てられた際にはロマネスク様式で、15世紀末に後期ゴシック様式になったという。

そう説明されても全く判らず、あまり興味もわかないのだが、詳しくはこういうことらしい









●こちらが祭壇
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磔にされたキリスト。

4日前にエルサレムやベツレヘムなど彼ゆかりの場所を訪れた時「随分、行動範囲狭かったんだな」と感じた。

しかし、中東の出来事がヨーロッパに伝わって、さらにそれが世界中に伝播していくわけだから、

キリスト教ってのは、初期の頃から文化・思想面での侵略思考が強かったんだろうかしら・・・。







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なるほど。

今まで気付かなかったが、教会の外見で『アポロチョコ』の様に見える場所は、この『内陣』なんだな。

さて・・・管理人さんに教えてもらった『祭壇(たぶん)前の地下室』を探してみよう







●あ・・・
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僕はパネルを眺めつつ脇のほうから内陣に行ったので気づかなかったが、

その内陣の前で床がぱっくりと割れ、地下へと向かう階段があらわになっている。

入ってみよう。








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「む・・・- -;」

ぬめっとするような空気・・・湿度が高く、生臭い。

『これは・・・』

もしかして、カタコンベ(地下墓所)?







●空気感も、いわゆる『死臭』ではないだろうが、死の臭いが立ち込めているように感じる
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レンガづくりの壁に詰められたコンクリは、古い火葬炉にある棺桶を入れる為のカタチそのものだ。

お、先のほうで一か所、光っている部分があるぞ。

行ってみよう・・・。






●あっ
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かなり古い、立派な棺桶

有力者のものなのだろうか、すごく凝ったエンブレムが付いている。

そして、ガラス面を見る限り冷却されている様な様子から、おそらく、『中身』が入っているのだろう。






●後に、改めてこの教会の事を検索すると、23年前に訪れた人が興味深い手記を遺していた
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●明かりとりの窓は、これだろう
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そして、この広間に人骨がたくさん転がっていたんだろう。

カタコンベというものはそういうものらしい。

しかし、祭壇の下で永眠できるのは幸福だったろうが、数世紀後、まさか展示されるとは思わなかったろう。









●・・・ハッ
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気が付くと、光に包まれていた。

どうやら、死の世界から生還したらしい。







●記念に記帳して、脱出しよう
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教会の玄関の向かいには山頂の斜面を使ってたくさんの、古い墓石が並ぶ墓地があった。

ロシアやシビウの正教会墓地で見たような『十字架』がお墓についていないという事は、

やはり、プロテスタントのお墓という事なのかも知れない。








●墓地の近くからは駅とは反対側の、シギショアラの街がよく見えた
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こちらが旧ワラキア方面。

オスマン帝国を迎え撃とうとした方向だったはず。

BROMPTON号があれば、あの山の向こうへ駆けていくのだが・・・いや、もう考えまい









●ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。後半テーマ曲 KONAMI 悪魔城伝説(1989)♪Aquarius 









●山をくだり、街なかへ向かう
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町の中には教会以外にもいくつかの尖塔がある。

シギショアラもシビウ同様に商人・職人のギルドが強力だった町で、

『皮なめし職人の塔』とか『仕立職人の塔』など、職種名のついた塔がいくつか存在する。

目の前にあるのは六角形のものが『精肉業者の塔』で、四角形のが『毛皮職人の塔』。








●町に戻ってきた
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観光都市の筈なのに、まったくゴミゴミしていない町は、国内外問わず僕好みの探検スポット







●福音教会
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クロックタワーの近くにある。山上教会ほどのひみつは持っていないだろう。

ここは、スルーして、次なるターゲットは・・・








●時計塔ッ!!!
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14世紀半ばに建てられ、議事堂として使われたものの、大火事で焼けてしまって17世紀に再建された。

その際に設置された文字盤の横のからくり時計は現在でも動作していて、

時間が来ると多様なからくり人形が時を告げてくれる。








●しかし、塔の中には拷問部屋もあり、そこで使われた器具も残っているという
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考えただけでも、うーん、おそろしい・・・(*v.v)。。

しかし、避けて通るわけにはいかぬ。

いざ、参らん。






●・・・あれ?
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扉は固く閉ざされている。







●ああっ
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わー、閉門時間早っ

なんだよ、これ






●仕方ない・・・
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ドラキュラレストランのディナータイム開始時間まで ステージボスのブラド・ドラキュラが戻ってくるまで、

城塞都市の外延部を回ってみよう。







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入る時には通らなかった町正面の出入り口の方へと降りていく。









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城塞に延びる道の両側には、民家や商店が連なっている。

おそらく、城塞に続くほとんどの道はこんな感じだろう。







●お・・・
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広場がある。









●広場から時計塔を眺めると、こんな感じに
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シビウといい、シギショアラといい、広場の様子、

僕が最後にやったFFシリーズFFⅦのニブルヘイムを思い出させるな・・・。

しかし、おそらく、城塞都市が造られた頃、街はこんなに大きくなくて・・・








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この、城塞の内側しか無かったんじゃないだろうか。

目の前に連なる家とて、後世に増築されたものだろう。






●城壁をぐるりと回ってみよう
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イスラエルで見た紀元前の城壁と比較すると、千数百年で進歩した技術を感じるな・・・。







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しかし、ところどころは崩壊の危機に瀕している。

その先に、慎ましさすら感じる城塞の出入口が見えてきた。







●中に入ると、『製靴職人の塔』が
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ここも、残念ながら閉まっている。

しかし、腕時計を見るとそろそろディナータイム ドラキュラ・ブラド三世との決戦時間だ。

ブラドの家に向かおう。







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(ちなみに、コイツがブラド3世)







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■ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。INDEX
序章

Ⅰ.イスラエルの章

Ⅱ.トルコの章

Ⅲ.ハンガリーの章

Ⅳ.ルーマニアの章

終章